平中物語 ====== 第10段 またこの同じ男女どもありけりそれ来にけり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== また、この同じ男、女どもありけり。それ来にけり。夜更くるまで物語などして、帰りて言ひたる。   小夜更けて歎き来にしをいつの間に夢に見えつつ恋しかるらむ 返し。   歎くてふことぞことわり思ひせば夜半に来て寝ず帰らましやは ===== 翻刻 ===== いひける又このおなしをとこ女ともありけり それきにけりよふくるまてものかたりなとし てかへりていひたる さ夜ふけてなけききにしをいつのま にゆめに見えつつこひしかるらん かへし なけくてふことそことはりおもひせは よはにきてねすかへらましやは/18オ