[[index.html|古今著聞集]] 草木第二十九
====== 657 堀河院の御時五月五日江帥菖蒲を奉りたりける状に・・・ ======
===== 校訂本文 =====
堀河院((堀河天皇))の御時、五月五日、江帥((大江匡房))菖蒲を奉りたりける状に、
進上 水辺昌蒲
千年五月五日 大江為武
この状を殿上に出だされて、人々に、「読め」と仰せけれども、誰(たれ)もその心を知る人なかりけるに、師頼卿((源師頼))、その時弼少将とて候ひけるが、案じ得て、読み侍りける、
進(たてまつ)り上ぐる汀(みぎは)のあやめ草千年(ちとせ)のさつきいつかたえせん
===== 翻刻 =====
堀河院御時五月五日江帥昌蒲をたてまつり
たりける状に
進上 水辺昌蒲
千年五月五日 大江為武
此状を殿上に出されて人々によめと仰けれとも
たれもその心をしる人なかりけるに師頼卿其時/s519r
弼少将とて候けるかあんし得てよみ侍ける
たてまつりあくる汀のあやめ草千とせのさ月いつかたえせん/s519l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/519