[[index.html|古今著聞集]] 飲食第二十八 ====== 645 ある人のもとに若き侍ども寄り合ひて大雁を候はんとてしたためける所へ・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== ある人のもとに、若き侍ども寄り合ひて、大雁(おほかり)を候はんとてしたためける所へ、年寄りたる侍一人来たりければ、「いかがして、この雁を食はせじ」と思ひて、「殿へ召され給ふぞ。急ぎ参り給へ」と、若き侍ども言ひければ、老たる侍、「この雁をわれに食はせじとてかく言ふ」とは思ひながら、その座を立ちて、かたがたにて、かくぞ詠みける、   心得つ雁食はむとて若党が老いたる者をはじきだすとは ===== 翻刻 ===== にけるとかや或人のもとにわかき侍ともよりあひて 大雁を候はんとてしたためける所へ年よりたる 侍一人来たりけれはいかかしてこの雁をくはせしと おもひて殿へめされたまうそいそきまいりたまへと わかき侍ともいひけれは老たる侍この雁をわれ にくはせしとてかくいふとは思なからその座をた/s501l http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/501 ちてかたかたにてかくそよみける  心えつかりくはむとてわかたうかおいたる物をはしきたすとは/s502r http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/502