[[index.html|古今著聞集]] 飲食第二十八
====== 633 暁行法印人のもとへまかりたりけるに瓜を取り出でたりけるが・・・ ======
===== 校訂本文 =====
暁行法印、人のもとへまかりたりけるに、瓜を取り出でたりけるが、悪(わろ)くなりて、水ぐみたりければ詠める、
山城のほぞちと人や思ふらん水ぐみたるはいさご((「瓢(ひさご)」か。))なりけり
人々集まりて瓜を食ひける所にて、ある人、「万法はみな空なり」といふ法問((「法問」は底本「法門」。諸本により訂正。))を出だしたりけるを聞きて、寂蓮法師詠み侍りける、
何もみなくうになるべきものならばいざこの瓜に皮も残さじ
===== 翻刻 =====
暁行法印人のもとへまかりたりけるに瓜をとりいて
たりけるかわろくなりて水くみたりけれはよめる
山しろのほそちと人や思らん水くみたるはいさこ成けり
人々あつまりてうりをくひける所にて或人万法は
みな空なりといふ法門をいたしたりけるをききて/s495r
寂蓮法しよみ侍ける
なにもみなくうになるへき物ならはいさこのうりにかはものこさし/s495l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/495