[[index.html|古今著聞集]] 飲食第二十八
====== 614 寛弘三年三月四日東三条より一条院に行幸ありけり・・・ ======
===== 校訂本文 =====
寛弘三年三月四日、東三条より一条院に行幸((一条天皇の行幸。))ありけり。まづ家の賞を行なはれて後、御作文・管絃などありけり。
また盃酌の興もありけり。内大臣((藤原公孝))、御盃を奉らる。中納言俊賢卿((源俊賢))、御銚子をとる。左府((藤原道長))、天盃を賜はりて、例のごとく土器(かはらけ)を移して飲みて、南階を下りて拝舞(はいむ)ありけり。池辺の桜の枝を折りて、西階を上りて袖を翻して警蹕(けいひつ)を構へて、主上に奉りたりけり。その後、人々のかざしもありけり。
===== 翻刻 =====
寛弘三年三月四日東三条より一条院に行幸あり
けり先家の賞をおこなはれて後御作文管絃なと/s488r
有けり又盃酌の興もありけり内大臣御盃をた
てまつらる中納言俊賢卿御銚子をとる左府天盃
をたまはりて例のことくかはらけをうつしてのみて南
階をおりて拝舞ありけり池辺の桜の枝をお
りて西階をのほりて袖を翻て警蹕を構て主上
にたてまつりたりけり其後人々のかさしもありけり/s488l
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