[[index.html|古今著聞集]] 興言利口第二十五
====== 557 かの三位入道失せられたりける時大夫阿闍梨順聖といふ僧・・・ ======
===== 校訂本文 =====
かの三位入道((坊城三位入道・藤原雅隆。[[s_chomonju556|556]]参照。))失せられたりける時、大夫阿闍梨順聖といふ僧、年ごろその辺の者なりければ、籠僧(こもりそう)に入れてけり。
五七日の導師にて、仏供養しける説法に、「今日は聖霊此界を去りましまして五七日の忌辰にあひ当たりたり。定て聖霊、炎魔法皇の庁庭に牛頭・馬頭等にひはられてこそおはしまし候ふらめ」とうちあげたりける、哀れなる中に興さめてぞ侍りける。
まことに比興の言ひやうなり。
===== 翻刻 =====
くたのしさいふはかりなし彼三位入道うせられ
たりける時大夫阿闍梨順聖といふ僧年比其
辺のものなりけれは籠僧にいれてけり五七
日の導師にて仏供養しける説法に今日は/s442l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/442
聖霊此界をさりましまして五七日之忌辰にあひ
あたりたり定て聖霊炎魔法皇の庁庭
に牛頭馬頭等にひはられてこそおはしまし候らめ
とうちあけたりける哀なる中にけふさめてそ侍
ける誠比興のいひやうなり/s443r
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/443