[[index.html|古今著聞集]] 哀傷第二十一
====== 453 延長八年九月二十九日延喜聖主崩御・・・ ======
===== 校訂本文 =====
延長八年九月二十九日、延喜聖主((醍醐天皇))崩御。十月十一、醍醐寺北山陵にわたし奉りける。御硯・御書三巻・黒染の筥一合・琴(青眼)・箏(秋風、吏部王記には風声と注せられたり)・和琴(中宮弘徽殿の御賀に献ぜられける)・御笛など入れられけり。
内蔵助良峰義方、和琴を調ぶ。楽所預丹後良名、琴を調ぶ。みな平調に調べける。和琴をば律調にぞ調べたりける。
いまは土にこそなり侍りぬらめ。あはれなることなり。
===== 翻刻 =====
哀傷第廿一
延長八年九月廿九日延喜聖主崩御十月十一醍醐寺
北山陵にわたしたてまつりける御硯御書三巻
黒染筥一合琴(青眼)箏(秋風吏部王記ニハ/風声ト注セラレタリ)和琴(中宮/弘徽殿)
(御賀に/献せラレケル)御笛なと入られけり内蔵助良峯義方
和琴をしらふ楽所預丹後良名琴をしらふ皆
平調にしらへける和琴をは律調にそしらへたり
けるいまは土にこそ成侍ぬらめあはれなる事なり/s359l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/359