[[index.html|古今著聞集]] 祝言第二十 ====== 448 延長二年十二月二十二日内裏の御賀を中宮奉らせ給ひけるに・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 延長二年十二月二十二日、内裏の御賀((醍醐天皇四十の賀))を中宮((藤原穏子))奉らせ給ひけるに、清涼殿にて遊宴ありけり。 弾正親王(だんじやうのみこ)((章明親王))笛を吹き、左大臣((藤原忠平))和琴(わごん)を弾じ給ひけり。中宮の御方より楽器を奉られける中に、北辺左大臣((源信))の、清和((清和天皇))の御時、手づから書かれたる春鶯囀(しゆんあうでん)の箏の譜を、木の枝に付けて奉られける、めづらしくやさしき御贈り物なりかし。 ===== 翻刻 ===== 延長二年十二月廿二日内裏御賀を中宮たてまつらせ 給けるに清涼殿にて遊宴ありけり弾正親王笛を 吹左大臣和琴を弾し給けり中宮御方より楽器をたて まつられける中に北辺左大臣の清和御時手自かかれたる 春鶯囀の箏の譜を木の枝に付てたてまつられけるめつ らしくやさしき御をくり物なりかし/s354l http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/354