[[index.html|古今著聞集]] 博奕第十八 ====== 422 久安元年の列見式日に行なはれけるに・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 久安元年の列見(れつけん)、式日に行なはれけるに、宇治左府((藤原頼長))、内大臣におはしましける、参り給ひて、事々おこし行はれけり。朝所(あいたんどころ)にて盃酌の後、囲碁ありけり。権右中弁朝隆朝臣((藤原朝隆))・左少弁師能((源師能))、また少納言成隆((藤原成隆))・能忠((藤原能忠))等、二双つかうまつりける。 昔は公卿ぞ打ちける。弁・少納言つかうまつることは例確かならねども、時代によりて定められけるとぞ。公卿は念人(ねんにん)にてぞありける。 このこと絶えて久しくなりてけるに、めづらしかりけることなり。 ===== 翻刻 ===== 久安元年列見式日におこなはれけるに宇治左府 内大臣にをはしましけるまいり給て事々をこし行/s316r はれけり朝所にて盃酌の後囲碁ありけり権右中 弁朝隆朝臣左少弁師能又少納言成隆能忠等 二双つかうまつりける昔は公卿そうちける弁少納言 つかうまつる事は例たしかならねとも時代によりて さためられけるとそ公卿は念人にてそありける此事 絶てひさしく成てけるにめつらしかりける事也/s316l http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/316