[[index.html|古今著聞集]] 蹴鞠第十七
====== 413 治承三年三月五日御方違のために院の御所七条殿に行幸ありて・・・ ======
===== 校訂本文 =====
治承三年三月五日、御方違(かたたがへ)のために、院((後白河法皇))の御所七条殿に行幸ありて、次の日、御壺にて御鞠ありけり。
主上((高倉天皇))、簾中にわたらせおはしましけり。内大臣以下、広庇(ひろびさし)にぞ候ひ給ひける。法皇、御付衣(つけごろも)にて蹴させおはしましけるに、公卿下りざりけるは、御気色にてありけるにや。刑部卿頼輔朝臣((藤原頼輔))、赤帷(あかかたびら)をぞ着たりける。豊後・駿河などいふ法師、鞠足も召されたりけるとかや。めづらしかりけることなりけり。
===== 翻刻 =====
治承三年三月五日御方違のために院御所七条殿に/s313l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/313
行幸ありて次日御壺にて御鞠ありけり主上簾中
にわたらせをはしましけり内大臣以下弘庇にそ候
給ける法皇御付衣にて蹴させをはしましけるに
公卿おりさりけるは御気色にてありけるにや刑部卿
頼輔朝臣赤帷をそきたりける豊後駿河なといふ
法師鞠足もめされたりけるとかやめつらしかり
ける事なりけり/s314r
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/314