[[index.html|古今著聞集]] 画図第十六
====== 389 小野宮の大臣衝立障子に松を描かせんとて常則を召しければ・・・ ======
===== 校訂本文 =====
小野宮の大臣(おとど)((藤原実頼))、衝立(ついたち)障子に松を描かせんとて、常則((飛鳥部常則))を召しければ、他行(たぎやう)したりけり。「さらば」とて、公望((巨勢公望))を召して描かせられにけり。
後に常則を召して見せられければ、「かしら毛芋に似たり。他所((「他所」は底本「地所」。諸本により訂正。))難なし」とぞ申しける。
常則をば大上手、公望をば小上手とぞ、世には称しける。
===== 翻刻 =====
小野宮のおととついたち障子に松をかかせんとて常
則をめしけれは他行したりけりさらはとて公望
をめしてかかせられにけり後に常則をめしてみせ/s294l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/294
られけれはかしら毛芋に似たり地所難なしとそ申
ける常則をは大上手公望をは小上手とそ世に
は称しける為成一日か中に宇治殿の扉の絵を/s295r
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/295