[[index.html|古今著聞集]] 管絃歌舞第七
====== 232 延喜四年十月大井川に行幸ありけるに雅明親王御船にて棹をとどめて・・・ ======
===== 校訂本文 =====
延喜四年十月、大井川に行幸((醍醐天皇の行幸))ありけるに、雅明親王((宇多天皇皇子))、御船にて棹をとどめて、万歳楽を舞ひ給ひける。七歳の御齢にて、曲節に誤りなかりける、ありがたきためしなり。
叡感にたへず、御半臂(はんぴ)を賜はせければ、親王賜はりて拝舞し給ひけり。この日、勅ありて、親王、舞剣をゆり給ふ。天暦の聖主((村上天皇))、童親王の御時の例(ためし)とて、沙汰ありける。
===== 翻刻 =====
なりとて失にけり延喜四年十月大井河に行幸ありけるに
雅明親王御船にて棹をととめて万歳楽を舞給ける七歳の
御齢にて曲節にあやまりなかりけるありかたきためしなり
叡感にたへす御半臂をたまはせけれは親王給て拝舞/s159r
し給けりこの日勅ありて親王舞釼をゆり給天暦聖
主童親王の御時の例とて沙汰ありける同廿一年十月十八日/s159l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/159