[[index.html|古今著聞集]] 和歌第六
====== 208 同じ卿左衛門督にて侍りける時家に歌合し侍りけるに頼政朝臣立春の歌に・・・ ======
===== 校訂本文 =====
同じ卿((藤原実国。[[s_chomonju207|207]]参照。))、左衛門督にて侍りける時、家に歌合し侍りけるに、頼政朝臣((源頼政))、立春の歌に、
めづらしき春にいつしかうちとけてまづもの言ふは雪の下水
と詠み侍りけるがおもしろく聞こえければ、またの朝、亭主、かの朝臣のもとへ申しつかはしける、
さもこそは雪の下水うちとけめ人には越えて見えし波かな
===== 翻刻 =====
同卿左衛門督にて侍ける時家に哥合し侍けるに頼政朝臣
立春哥に
めつらしき春にいつしかうちとけてまつものいふは雪の下水
とよみ侍けるかおもしろくきこえけれは又の朝亭主彼朝臣
のもとへ申つかはしける
さもこそは雪の下水うちとけめ人にはこえてみえし浪かな/s149r
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/149