[[index.html|古今著聞集]] 和歌第六
====== 207 建春門院皇太后宮にておはしましける時公卿殿上人女房どもさそひて・・・ ======
===== 校訂本文 =====
建春門院((後白河天皇皇后平滋子))、皇太后宮にておはしましける時、公卿・殿上人・女房どもさそひて、大井川の紅葉見に向かはれけるに、三位中将実定卿((藤原実定))、さはることありてとどまれたりければ、中納言実国卿((藤原実国))、詠みてつかはしける、
もろともに君と見ぬまのもみぢ葉は心の闇の錦なりけり
返し、
さそはれぬ身こそつらけれもみぢ葉は何かは闇の錦なるべき
===== 翻刻 =====
建春門院皇太后宮にておはしましける時公卿殿上人女房
ともさそひて大井川の紅葉みにむかはれけるに三位中将
実定卿さはる事ありてととまれたりけれは中納言実国
卿よみてつかはしける
もろともに君とみぬまのもみち葉は心のやみのにしきなりけり/s148l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/148
返し
さそはれぬ身こそつらけれ紅葉葉はなにかはやみの錦なるへき/s149r
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/149