[[index.html|古今著聞集]] 和歌第六 ====== 174 和泉式部男のかれがれになりけるころ貴布禰に詣でたるに蛍の飛ぶを見て・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 和泉式部、男のかれがれになりけるころ、貴布禰((貴船神社))に詣でたるに、蛍の飛ぶを見て、   もの思へば沢の蛍もわが身よりあくがれ出づる玉かとぞ見る と詠めりければ、御社の内に、忍びたる御声にて、   奥山にたぎりて落つる滝つ瀬の玉散るばかりものな思ひそ そのしるしありけるとぞ。 ===== 翻刻 ===== 和泉式部おとこのかれかれに成ける比貴布禰にまうてたる に蛍のとふをみて  物思へは沢のほたるも我身よりあくかれ出る玉かとそみる とよめりけれは御社のうちに忍たる御声にて  おく山にたきりておつる滝つ瀬の玉ちるはかりものな思そ 其しるしありけるとそ/s129r http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/129