[[index.html|古今著聞集]] 和歌第六 ====== 158 平治元年二月二十五日御方違へのために押小路殿に行幸ありけり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 平治元年二月二十五日、御方違へのために押小路殿((「押小路殿」は底本「押少路殿」。諸本により訂正。))に行幸((二条天皇の行幸。))ありけり。透廊(すいらう)にて、夜もすがら御遊(ぎよいう)ありけるに、女房の中より、硯蓋に紅(くれなゐ)の薄様を敷きて、雪をもちて出だされたるに、和歌を付けたりける。   月影のさえたる折の雪なれば今宵は春も忘れぬるかな 返し   くまもなき月の光のなかりせば今宵のみゆきいかでかは見ん ===== 翻刻 ===== 平治元年二月廿五日御方違のために押少路殿に行幸/s119l http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/119 ありけり透廊にて夜もすから御遊ありけるに女房の 中より硯蓋にくれなゐの薄様をしきて雪をもちて いたされたるに和哥をつけたりける  月影のさえたるおりの雪なれはこよひは春もわすれぬる哉 返し  くまもなき月の光のなかりせはこよひのみゆきいかてかは見ん/s120r http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/120