[[index.html|古今著聞集]] 和歌第六 ====== 156 保元の乱によりて新院讃岐国にうつらせおはしましにけり・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 保元の乱によりて、新院((崇徳上皇))、讃岐国にうつらせおはしましにけり。和歌の道すぐれさせ給ひたりしに、かかるうきこと出で来たれば、「この道すたれぬるにや」と悲しく思えて、寂念法師がもとへ詠みてつかはしける。西行法師、  言の葉の情け絶えぬる折節にありあふ身こそ悲しかりけれ 返し、寂念法師  敷島や絶えぬる道に泣く泣くも君とのみこそ跡を忍ばめ ===== 翻刻 ===== 保元の乱によりて新院讃岐国にうつらせおはしましに けり和哥の道すくれさせたまひたりしにかかるうきこと 出きたれはこの道すたれぬるにやとかなしくおほえて 寂念法師かもとへよみてつかはしける西行法師/s119r  ことの葉のなさけたえぬるおりふしにありあふ身こそかなしかりけれ 返し寂念法師  しきしまや絶ぬる道になくなくも君とのみこそ跡をしのはめ/s119l http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/119