[[index.html|古今著聞集]] 文学第五
====== 138 後江相公の澄朝におくれて後後世をとぶらはれける願文に・・・ ======
===== 校訂本文 =====
後江相公((大江朝綱。底本、「後」に「玉淵」、「江相」に「朝綱」と傍書。玉淵は朝綱の父。))の澄朝((正しくは澄明で大江澄明。底本「澄明如此歟」と傍書。))におくれて後、後世をとぶらはれける願文に、
悲之亦悲莫悲於老後子 悲しみのまた悲しきは老いて子に後るるより悲しきはなし
恨而更恨莫恨於少先親 恨みて更に恨めしきは少くして親に先だつより恨めしきはなし
と書けるこそ、「前後相違の恨み、げにさこそは」と、さりがたくあはれに覚ゆれ。
===== 翻刻 =====
後(玉淵)江相(朝綱)公の澄朝(澄明如此歟)にをくれて後後世をとふらはれける
願文に (アキヲ) (然志明歟)
悲之亦悲莫悲於老後子恨而更恨莫恨於少先親
とかけるこそ前後相違の恨けにさこそはとさりかたくあ
はれにおほゆれ/s103l
http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/103