[[index.html|古今著聞集]] 文学第五 ====== 135 後三条院東宮にておはしましける時学士実政朝臣任国に赴きけるに・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 後三条院((後三条天皇))、東宮にておはしましける時、学士実政朝臣((日野実政))、任国に赴きけるに、餞別の名残りを惜しませ給ひて、御製かかりけるとかや。  州民縦作甘棠詠 州民縦ひ甘棠の詠を作すとも  莫忘多年風月遊 多年風月の遊を忘るること莫かれ この心は、『毛詩((詩経))』にいはく、「孔子曰、甘棠莫伐。召伯之所宿也((「召伯」は底本「泊」。召伯は周の召公奭をいう。))。(孔子曰く、甘棠伐ること莫かれ。召伯の宿りし所なり。)」といへることなり。 ===== 翻刻 ===== 後三条院東宮にておはしましける時学士実政朝臣 任国におもむきけるに餞別のなこりををしませ給て 御製かかりけるとかや/s102r  州民縦作甘棠詠 莫忘多年風月遊 此心は毛詩云孔子曰甘棠莫伐泊之所宿也とい へることなり/s102l http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100190287/viewer/102