====== 蒙求 ====== もうぎゅう ===== 成立 ===== [[唐]]代の李澣の作という。題名は『[[周易]]』蒙卦の「有童蒙求我之義」に由来し、啓蒙の書 とする目的で書かれた。 ===== 内容 ===== 一句おきに[[韻]]を踏む、二句八字の[[対句]]による詩になっており、一句で一人の人物の事跡を述べている。計596句。 * http://www.sap.hokkyodai.ac.jp/~nakajima/waka/data/mougyuu.html * 【『蒙求』徐注本標題】中島和歌子氏による。 古くから、一句一句の事跡を具体的に書く注釈が行われたが、[[宋]]の[[徐子光]]は古注を大幅に増補改訂し、 読み物としての『蒙求』を成立させた。前者を古注といい、後者を徐注という。 徐注成立以後、一般に『蒙求』といったときは、徐注本を指す。 ===== 日本での蒙求の受容 ===== 「勧学院の雀は蒙求を囀る」のことわざどおり、わが国では古くから漢籍への入門書 として『蒙求』が使われた。 記録としては『[[三代実録]]』陽成天皇元慶二年(878)の条に、貞保親王の読書始に披香 舎で橘広相が侍講となって『蒙求』が読まれたという記録がある。 多くの文学作品に影響を与えたが、『[[唐物語]]』や『[[蒙求和歌]]』などには直接の影響を与えている。 [[江戸時代]]以降、徐注本が普及し、多くの注釈書が作られた。