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宇治拾遺物語
丹後守保昌下向ノ時致経ガ父逢事
丹後守保昌、下向の時、致経が父に逢ふ事
是も今は昔、丹後守保昌、国へ下ける時、与佐の山に白髪の武士一騎あひたり。
路のかたはらなる木の下に、うち入て立たりけるを、国司の郎等ども、「この翁、など馬よりおりざるぞ。奇怪也。とがめおろすべし」といふ。ここに国司のいはく、「一人当千の馬のたてやう也。ただにはあらぬ人ぞ。とがむべからず」とせいして、うち過程に、三町ばかり行て、大矢の左衛門尉致経、数多の兵をぐしてあへり。
国司、会尺する間、致経が云、「ここに、老者や一人逢たてまつりて候つらん。致経が父、平五大夫に候。堅固の田舎人にて、子細をしらず、無礼現じ候つらん」と云。致経過て後、「さればこそ」といひけるとか。