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text:yomeiuji:uji095 [2018/08/11 17:27] Satoshi Nakagawatext:yomeiuji:uji095 [2018/08/11 17:28] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 それが若かりける時、清水((清水寺))の橋のもとにて、京童部(きやうわらんべ)どもと、いさかひをしけり。京童部、手ごとに刀を抜きて、忠明をたちこめて殺さんとしければ、忠明も太刀を抜きて、御堂ざまに登るに、御堂の東の妻にもあまた立ちて、向ひあひたれば、内へ逃げて、蔀(しとみ)のもとを脇に挟みて、前の谷へ踊り落つ。 それが若かりける時、清水((清水寺))の橋のもとにて、京童部(きやうわらんべ)どもと、いさかひをしけり。京童部、手ごとに刀を抜きて、忠明をたちこめて殺さんとしければ、忠明も太刀を抜きて、御堂ざまに登るに、御堂の東の妻にもあまた立ちて、向ひあひたれば、内へ逃げて、蔀(しとみ)のもとを脇に挟みて、前の谷へ踊り落つ。
  
-蔀、風にしぶかれて、谷の底に鳥のゐるやうに、やをら落ちにければ、それより逃げて去にけり。+蔀、風にしぶかれて、谷の底に鳥のゐるやうに、やをら落ちにければ、それより逃げて去(い)にけり。
  
 京童部ども、谷を見下ろして、あさましがりて、立ち並みて見けれども、すべきやうもなくて、やみにけりとなん。 京童部ども、谷を見下ろして、あさましがりて、立ち並みて見けれども、すべきやうもなくて、やみにけりとなん。
text/yomeiuji/uji095.txt · 最終更新: 2018/08/11 17:28 by Satoshi Nakagawa