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text:yomeiuji:uji073 [2014/10/05 17:35] Satoshi Nakagawatext:yomeiuji:uji073 [2018/04/04 16:49] (現在) Satoshi Nakagawa
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 **範久阿闍梨、西方を後にせざる事** **範久阿闍梨、西方を後にせざる事**
  
-是も今はむかし、範久阿闍梨といふ僧ありけり。山の楞厳院にすみけり。ひとへに極楽をねがふ。行住坐臥、西方をうしろにせず。つはきをはき、大小便西にむかはず。入日をせなかにをはず。西坂より山へのぼるときは、身をそばだててあゆむ。+===== 校訂本文 =====
  
-にいはく、「うへ木のたをるる、かならずかたぶく方にあり。心を西方にかけんに、なんぞ心ざしをげざらん。臨終正念うたず」となむいひける+これも今は昔、範久阿闍梨といふ僧ありけり。山((比叡山))の楞厳院((横川中堂))に住みけり。 
 + 
 +ひとへに極楽を願ふ。行住坐臥、西方を後ろにせず。はきを吐き、大小便、西に向はず。入日を背中に負はず。西坂より山へ登るときは、身をそばだてて歩む。 
 + 
 +にいはく、「木のるること、かならず傾(かたぶ)く方にあり。心を西方にかけんに、ぞ心ざしをげざらん。臨終正念疑はず」となむ言ひける。 
 + 
 +『往生伝((『続本朝往生伝』))』に入りたりとか。 
 + 
 +===== 翻刻 ===== 
 + 
 +  是も今はむかし範久阿闍梨といふ僧ありけり山の楞厳院 
 +  にすみけりひとへに極楽をねかふ行住坐臥西方をし 
 +  ろにせすつはきをはき大小便西にむかはす入日をせなかに/75ウy154 
 + 
 +  をはす西坂より山へのほるときは身をそはててあゆむつねに 
 +  いくうへ木のたをるる事かならすかたふく方にあり心を 
 +  西方にかけんになんそ心さしをとけさらん臨終正念うたかはすとな 
 +  むいひける往生伝に入たりとか/76オy155
  
-往生伝に入たりとか。 
text/yomeiuji/uji073.txt · 最終更新: 2018/04/04 16:49 by Satoshi Nakagawa