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text:yomeiuji:uji043 [2014/09/28 13:41] Satoshi Nakagawatext:yomeiuji:uji043 [2017/12/12 01:39] Satoshi Nakagawa
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 **藤六の事** **藤六の事**
  
-今は昔、とうろくといふ哥よみありけり。+今は昔、藤六((藤原輔相))といふ歌詠みありけり。下種の家に入りて、人もなかりける折を見付けて、入りにけり。
  
-げすの家にいりて、人もなかりけるおりを見つけて入にけり。なべににける物をすくひひけるに家あるじの女みずみて、おほぢかたよりれば、かくすくひへば、「いかに、かく人もなき所に、いかでかくはする物をばまいるぞ。あなうたてや。藤六にこそいましけれ。さらば哥よみ給へ」とひければ、+ける物をすくひひけるほど家あるじの女、水みて、大路よりれば、かくすくひへば、「いかに、かく人もなき所に、いかでかくはする物をばるぞ。あなうたてや。藤六にこそいましけれ。さらば、歌詠み給へ」とひければ、
  
-むかしより阿弥陀仏のちかひにてにゆる物をすくふとしる+  昔より阿弥陀仏のちかひにて煮ゆる物をばすくふとぞ知る 
 + 
 +とこそ詠みたりけれ。 
 + 
 +===== 翻刻 ===== 
 + 
 +  今は昔とうろくといふ哥よみありけりけすの家にいりて人もなかり 
 +  けるおりを見つけて入にけりなへににける物をすくひくひける程に 
 +  家あるしの女みすをくみておほちのかたよりきてみれはかくすくひくへは 
 +  いかにかく人もなき所にいかてかくはする物をはまいるそあなうたてや 
 +  藤六にこそいましけれさらは哥よみ給へといひけれは 
 +    むかしより阿弥陀仏のちかひにてにゆる物をすくふとしる 
 +  とこそよみたりけれ/49ウy102
  
-とこそよみたりけれ。 
text/yomeiuji/uji043.txt · 最終更新: 2017/12/21 00:07 by Satoshi Nakagawa