text:yomeiuji:uji011
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text:yomeiuji:uji011 [2017/10/21 16:24] – Satoshi Nakagawa | text:yomeiuji:uji011 [2020/09/13 12:53] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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**源大納言雅俊、一生不犯の金打せたる事** | **源大納言雅俊、一生不犯の金打せたる事** | ||
- | これも今は昔、京極の源大納言((源雅俊。底本「雅俊」と注あり。))といふ人おはしけり。 | + | ===== 校訂本文 ===== |
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+ | これも今は昔、京極の源大納言((源雅俊。底本「雅俊」と注あり。))といふ人おはしけり。 | ||
仏事をせられけるに、仏前にて、僧に鐘を打たせて、一生不犯なるを選びて、講を行なはれけるに、ある僧の礼盤(らいばん)に上りて、少し顔・気色たがひたるやうになりて、鐘木(しゆもく)を取りて、振り回して、打ちもやらで、しばしばかりありければ、大納言、「いかに」と思はれけるほどに、やや久しく、ものも言はでありければ、人ども、おぼつかなく思ひけるほどに、この僧、わななきたる声にて、「かはつるみはいかが候ふべき」と言ひたるに、諸人、おとがひを放ちて笑ひたるに、一人の侍ありて、「かはつるみは、いくつばかりにてさぶらひしぞ」と問ひたるに、この僧、首をひねりて、「きと夜部(よべ)もしてさぶらひき」と言ふに、おほかた、どよみあへり。 | 仏事をせられけるに、仏前にて、僧に鐘を打たせて、一生不犯なるを選びて、講を行なはれけるに、ある僧の礼盤(らいばん)に上りて、少し顔・気色たがひたるやうになりて、鐘木(しゆもく)を取りて、振り回して、打ちもやらで、しばしばかりありければ、大納言、「いかに」と思はれけるほどに、やや久しく、ものも言はでありければ、人ども、おぼつかなく思ひけるほどに、この僧、わななきたる声にて、「かはつるみはいかが候ふべき」と言ひたるに、諸人、おとがひを放ちて笑ひたるに、一人の侍ありて、「かはつるみは、いくつばかりにてさぶらひしぞ」と問ひたるに、この僧、首をひねりて、「きと夜部(よべ)もしてさぶらひき」と言ふに、おほかた、どよみあへり。 |
text/yomeiuji/uji011.txt · 最終更新: 2020/09/13 12:53 by Satoshi Nakagawa