text:yamato:u_yamato145
no way to compare when less than two revisions
差分
このページの2つのバージョン間の差分を表示します。
— | text:yamato:u_yamato145 [2017/09/07 18:27] (現在) – 作成 Satoshi Nakagawa | ||
---|---|---|---|
行 1: | 行 1: | ||
+ | 大和物語 | ||
+ | ====== 第145段 亭子の御門河尻におはしましにけり遊女に白といふ者ありけり・・・ ====== | ||
+ | |||
+ | ===== 校訂本文 ===== | ||
+ | |||
+ | 亭子の御門((宇多天皇))、河尻におはしましにけり。遊女(うかれめ)に白(しろ)といふ者ありけり。 | ||
+ | |||
+ | 召しにつかはしたりければ、参りてさぶらふに、上達部・殿上人・皇子(みこ)たち、あまたさぶらひ給ひければ、下(しも)に遠くさぶらふに、「かう遥かにさぶらふよし、歌つかうまつれ」と仰せられければ、すなはち詠みて奉りける。 | ||
+ | |||
+ | 浜千鳥飛び行くかぎりありければ雲立つ山をあととこそ見れ | ||
+ | |||
+ | と詠みたりければ、いとかしこくめで給ひて、かづけものなと賜ふ。 | ||
+ | |||
+ | 命だに心にかなふものならば何か別れの悲しからまし | ||
+ | |||
+ | といふ歌も、この白が詠みたりける歌なり。 | ||
+ | |||
+ | ===== 翻刻 ===== | ||
+ | |||
+ | ていしのみかと河尻におはしましにけり | ||
+ | うかれめにしろといふものありけりめし | ||
+ | につかはしたりけれはまいりてさふらふに | ||
+ | かんたちめてんしやう人みこたちあ | ||
+ | またさふらひたまひけれはしもにとをく | ||
+ | さふらふにかうはるかにさふらふよし哥/d32l | ||
+ | |||
+ | つかうまつれとおほせられけれはすなはち | ||
+ | よみてたてまつりける | ||
+ | はまちとりとひゆくかきりありけれは | ||
+ | 雲たつやまをあととこそみれ | ||
+ | とよみたりけれはいとかしこくめてたまひ | ||
+ | てかつけものなとたまふ | ||
+ | いのちたにこころにかなふものならは | ||
+ | なにかわかれのかなしからまし | ||
+ | といふうたもこのしろかよみたりけるうたなり/d33r | ||
text/yamato/u_yamato145.txt · 最終更新: 2017/09/07 18:27 by Satoshi Nakagawa