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大和物語

第57段 近江の介中興がむすめをいといたうかしづきけるを親亡くなりてのち・・・

校訂本文

近江の介中興(なかき)1)が、むすめをいといたうかしづきけるを、親亡くなりてのち、とかくはふれて、人の国に、はかなき所に住みけるを、あはれがりて、兼盛2)が詠みて、おこせたりける、

  遠近(をちこち)の人目まれなる山里とに家居せんとは思ひきや君

と、詠みておこせたりければ、見て、返事もせで、よよとぞ泣きける。

女も、いとらうある人なり。

翻刻

右大弁季長子後左衛門権佐昌泰元年蔵人延喜
三年大内記余年廿五日叙近江守
あふみのすけなかきかむすめをいとい
たうかしつきけるをおやなくなり
てのちとかくはふれて人のくににはか
なきところにすみけるをあはれかり
てかねもりかよみてをこせたりける
  をちこちのひとめまれなるやま
  さとにいへゐせんとはおもひきやきみ
とよみておこせたりけれはみて返
事もせてよよとそなきける女もいと/d27r
らうあるひとなり/d28r
1)
平中興
2)
平兼盛
text/yamato/u_yamato057.txt · 最終更新: 2017/07/22 11:13 by Satoshi Nakagawa
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