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text:yamato:u_yamato032
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text:yamato:u_yamato032 [2017/06/10 17:08] (現在) – 作成 Satoshi Nakagawa
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 +大和物語
 +====== 第32段 亭子の御門に右京の大夫の詠みて奉りける・・・ ======
 +
 +===== 校訂本文 =====
 +
 +亭子の御門((宇多天皇))に、右京の大夫((源宗于))の詠みて奉りける。
 +
 +  あはれてふ人もあるへく武蔵野の草とだにこそ生ふべかりけれ
 +
 +また、
 +
 +  時雨のみふる山里の木(こ)の下はをる人からやもりすぎぬらん
 +
 +とありければ、かへりみたまはぬ心ばえ((「心ばへ」は底本「心え」。諸本により補入。))なりけり。
 +
 +「『御門、ご覧じて、『なにごとぞ。これ心得ず』とてなんありしと、僧都の君に見せ給ひける』と聞きしかば、かひなくなんありし」と、語り給ひける。
 +
 +===== 翻刻 =====
 +
 +  亭子のみかとに右京のかみのよみて
 +  たてまつりける
 +    あはれてふ人もあるへくむさし
 +    ののくさとたにこそをふへかりけれ
 +  又しくれのみふる山さとのこのした
 +  はをる人からやもりすきぬらん/d19r
 +
 +  とありけれはかえりみたまはぬ心えなり
 +  けりみかとこらんしてなに事そこれ
 +  こころえすとてなんありしと僧都の君
 +  にみせ給けるとききしかはかひなくなん
 +  ありしとかたりたまひける/d19l
  
text/yamato/u_yamato032.txt · 最終更新: 2017/06/10 17:08 by Satoshi Nakagawa