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text:yamato:u_yamato025
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text:yamato:u_yamato025 [2017/06/01 21:47] (現在) – 作成 Satoshi Nakagawa
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 +大和物語
 +====== 第25段 比叡の山に明覚といふ法師の山籠りにてありけるに・・・ ======
 +
 +===== 校訂本文 =====
 +
 +比叡(ひえ)の山に、明覚((底本「念明覚」。諸本「念覚」「明覚」のいずれかとなっており、このテキストでは最後に「明覚はとしこかせうとなりけり」とあるので、明覚とした。))といふ法師の、山籠りにてありけるに、しとくにてましましける大徳(だいとく)の、はやう死にけるが室(むろ)に、松の木の枯れたるを見て、
 +
 +  ぬしもなき宿に枯れたる松見れば千年(ちとせ)過ぎける心地こそすれ
 +
 +と詠みたりければ、かの室に泊りたりける弟子ども、あはれがりけり。
 +
 +この明覚は、とし子が兄人(せうと)なりけり。
 +
 +===== 翻刻 =====
 +
 +  ひゑのやまに念明覚といふ法師のやま
 +  こもりにてありけるにしとくにてま
 +  しましけるたいとくのはやうしにける
 +  かむろにまつの木のかれたるをみて
 +    ぬしもなきやとにかれたるまつみ
 +    れはちとせすきける心ちこそすれ
 +  とよみたりけれはかのむろにとまり
 +  たりけるてしともあはれかりけり此
 +  明覚はとしこかせうとなりけり/d16l
  
text/yamato/u_yamato025.txt · 最終更新: 2017/06/01 21:47 by Satoshi Nakagawa