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text:uchigiki:uchigiki18 [2018/05/16 01:41]
Satoshi Nakagawa 作成
text:uchigiki:uchigiki18 [2018/05/16 01:44] (現在)
Satoshi Nakagawa [校訂本文]
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 それを見れば、「これは纐纈城((「纐纈城」は底本「講結城」。[[:​text:​k_konjaku:​k_konjaku11-1|『今昔物語集』11-11]]・[[:​text:​yomeiuji:​uji170|『宇治拾遺物語』170]]により訂正。以下すべて同じ。なお、纐纈(こうけつ)は絞り染めの意。))なり。ここに来たる人は、まづ物の言はぬ薬を服させて、ついで、肥ゆる薬を服さす。その後、高所に釣り懸けて、ところどころをさし切りて、血を垂らして、へ((「へ」は底本、戸かんむりに勺。[[:​text:​k_konjaku:​k_konjaku11-1|『今昔物語集』11-11]]では「壺」))に溜(た)む。その血をもつて纐纈を染めて、売りつつ世を経ける所なり。もの食はする中に、胡麻((「胡麻」は底本「古摩」。通行の表記に改めた。))のやうの、黒ばみたる物あり。それは、もの言はぬ薬なり。さあらむ物参りたらば、食はるるまねして、人もの言はば、もの言はぬやうに、うめきにのみうめきて、ものなのたまひそ。おのれも、その薬を知らずして食ひ、かかる目をば見るなり。逃ぐべき構(かま)へをし給へ。めぐり門、堅くさして、おぼろげにて、人入るべきやうなき所なり((「なき所なり」は底本「□キ所也」。一字破損。[[:​text:​k_konjaku:​k_konjaku11-1|『今昔物語集』11-11]]により補う。))」。と書きたるを見て後、おほよそ思えず立ち去る。居所にしたる所へ帰りぬ。 それを見れば、「これは纐纈城((「纐纈城」は底本「講結城」。[[:​text:​k_konjaku:​k_konjaku11-1|『今昔物語集』11-11]]・[[:​text:​yomeiuji:​uji170|『宇治拾遺物語』170]]により訂正。以下すべて同じ。なお、纐纈(こうけつ)は絞り染めの意。))なり。ここに来たる人は、まづ物の言はぬ薬を服させて、ついで、肥ゆる薬を服さす。その後、高所に釣り懸けて、ところどころをさし切りて、血を垂らして、へ((「へ」は底本、戸かんむりに勺。[[:​text:​k_konjaku:​k_konjaku11-1|『今昔物語集』11-11]]では「壺」))に溜(た)む。その血をもつて纐纈を染めて、売りつつ世を経ける所なり。もの食はする中に、胡麻((「胡麻」は底本「古摩」。通行の表記に改めた。))のやうの、黒ばみたる物あり。それは、もの言はぬ薬なり。さあらむ物参りたらば、食はるるまねして、人もの言はば、もの言はぬやうに、うめきにのみうめきて、ものなのたまひそ。おのれも、その薬を知らずして食ひ、かかる目をば見るなり。逃ぐべき構(かま)へをし給へ。めぐり門、堅くさして、おぼろげにて、人入るべきやうなき所なり((「なき所なり」は底本「□キ所也」。一字破損。[[:​text:​k_konjaku:​k_konjaku11-1|『今昔物語集』11-11]]により補う。))」。と書きたるを見て後、おほよそ思えず立ち去る。居所にしたる所へ帰りぬ。
  
-人、食物を持て来たり[[「持て来たり」は底本「□来たり」。一字破損。[[:​text:​k_konjaku:​k_konjaku11-1|『今昔物語集』11-11]]により補う。]]。いふやうなり。けしきあるもの、中に盛りて据ゑたり。ものを食ひて、この薬をば、食ふやうにて、ふところにさし入れて((「さし入れて」は底本「□し入て」。一字程度破損。[[:​text:​k_konjaku:​k_konjaku11-1|『今昔物語集』11-11]]により補う。]]))、外に捨てつ。人来てもの言へば、うめきにのみうめきて、もの言はず。「今はし得つ」と思ひて、肥ゆべき薬を((「薬を」は底本「□を」。一字程度破損。[[:​text:​k_konjaku:​k_konjaku11-1|『今昔物語集』11-11]]により補う。))、種々に食はす。+人、食物を持て来たり((「持て来たり」は底本「□来たり」。一字破損。[[:​text:​k_konjaku:​k_konjaku11-1|『今昔物語集』11-11]]により補う。))。いふやうなり。けしきあるもの、中に盛りて据ゑたり。ものを食ひて、この薬をば、食ふやうにて、ふところにさし入れて((「さし入れて」は底本「□し入て」。一字程度破損。[[:​text:​k_konjaku:​k_konjaku11-1|『今昔物語集』11-11]]により補う。))、外に捨てつ。人来てもの言へば、うめきにのみうめきて、もの言はず。「今はし得つ」と思ひて、肥ゆべき薬を((「薬を」は底本「□を」。一字程度破損。[[:​text:​k_konjaku:​k_konjaku11-1|『今昔物語集』11-11]]により補う。))、種々に食はす。
  
 人、立ち去りたる間、丑寅の方に向ひて、「本山三宝薬師仏助け給へ」と手をすりて、□拝す。その時に、大犬出で来て、大師の御衣の袖(そで)を食ひて、飛びて、出づへくもあらぬ水門より引き入る((「る」は底本破損。文脈により補う))。外に出でぬれば、犬は失せけり。「逃げ得つ」と思ひて、足のむく方に走り給ふ。 人、立ち去りたる間、丑寅の方に向ひて、「本山三宝薬師仏助け給へ」と手をすりて、□拝す。その時に、大犬出で来て、大師の御衣の袖(そで)を食ひて、飛びて、出づへくもあらぬ水門より引き入る((「る」は底本破損。文脈により補う))。外に出でぬれば、犬は失せけり。「逃げ得つ」と思ひて、足のむく方に走り給ふ。
text/uchigiki/uchigiki18.txt · 最終更新: 2018/05/16 01:44 by Satoshi Nakagawa
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