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text:uchigiki:uchigiki03 [2018/04/22 15:41] – 作成 Satoshi Nakagawatext:uchigiki:uchigiki03 [2018/04/22 16:15] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 昔、好恵三蔵(([[:text:k_konjaku:k_konjaku6-4|『今昔物語集』6-4]]では、「康僧会三蔵」。))といふ聖人、天竺より唐へ渡り、護国(([[:text:k_konjaku:k_konjaku6-4|『今昔物語集』6-4]]では、「胡国」))といふ所に行きぬ。 昔、好恵三蔵(([[:text:k_konjaku:k_konjaku6-4|『今昔物語集』6-4]]では、「康僧会三蔵」。))といふ聖人、天竺より唐へ渡り、護国(([[:text:k_konjaku:k_konjaku6-4|『今昔物語集』6-4]]では、「胡国」))といふ所に行きぬ。
  
-件(くだん)の国王、怪しびて、「これは何人ぞ」と問ひ給ふ。「釈迦仏の御弟子なり」。その釈迦仏はおはしますや」と問ひ給へば、「はや、昔、失せ給ひにけり」と申す。王ののたまはく、「さては、誰(たれ)を師とは憑(たの)むぞ」。三蔵の申していはく、「昔、釈迦如来、舎利を残して、衆生を引導給へり((「引導給へり」は底本「引導ヘリ」。給の脱落とみて補入))。国王、問ひ給はく、「さて、その舎利はおはするか」。「天竺になむ、おはする。ここには具し奉らせず」。王ののたまはく、「なんぢの言ふこと信ぜず。何をもちてか、舎利の有無を知らむ」。三蔵申さく、「舎利は具し奉らねども、ここにて祈らば出でおはするものなり」。王ののたまはく、「さは、なんぢ、祈り出だせ。三蔵、祈るべき由(よし)を申す。+件(くだん)の国王、怪しびて、「これは何人ぞ」と問ひ給ふ。「釈迦仏の御弟子なり」。その釈迦仏はおはしますや」と問ひ給へば、「はや、昔、失せ給ひにけり」と申す。王ののたまはく、「さては、誰(たれ)を師とは憑(たの)むぞ」。三蔵の申していはく、「昔、釈迦如来、舎利を残して、衆生を引導給へり((「引導給へり」は底本「引導ヘリ」。給の脱落とみて補入))。国王、問ひ給はく、「さて、その舎利はおはするか」。「天竺になむ、おはする。ここには具し奉らせず」。王ののたまはく、「なんぢの言ふこと信ぜず。何をもちてか、舎利の有無を知らむ」。三蔵申さく、「舎利は具し奉らねども、ここにて祈らば出でおはするものなり」。王ののたまはく、「さは、なんぢ、祈り出だせ。三蔵、祈るべき由(よし)を申す。
  
 王、「舎利出でおはせずは、いかに」。三蔵申さく、「舎利、祈り出だし奉らずは、この頸を取るべきなり」と申す時に、王、「さは、今日より((「今日より」は底本「日」虫損。『今昔物語集』により補入。))祈れ」とて、七日を限りて祈らる。 王、「舎利出でおはせずは、いかに」。三蔵申さく、「舎利、祈り出だし奉らずは、この頸を取るべきなり」と申す時に、王、「さは、今日より((「今日より」は底本「日」虫損。『今昔物語集』により補入。))祈れ」とて、七日を限りて祈らる。
text/uchigiki/uchigiki03.1524379290.txt.gz · 最終更新: 2018/04/22 15:41 by Satoshi Nakagawa