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| — | text:turezure:k_tsurezure221.txt [2018/11/10 12:20] (現在) – 作成 Satoshi Nakagawa | ||
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| + | 徒然草 | ||
| + | ====== 第221段 建治弘安のころは祭の日の放免の付け物に・・・ ====== | ||
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| + | ===== 校訂本文 ===== | ||
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| + | 建治・弘安のころは、祭の日((賀茂祭の日))の放免(はうべん)の付け物に、異様(ことやう)なる紺の布の五反(たん)にて、馬をつくりて、尾髪(をかみ)には灯心(とうじみ)をして、蜘蛛の網(い)描きたる水干に付けて、歌の心など言ひて渡りしこと、つねに見及び侍りしなども、興ありてしたる心地にてこそ侍しか」と、老いたる道志(だうし)どもの、今日も語り侍るなり。 | ||
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| + | このごろは、付け物、年を送りて、過差(くわさ)ことのほかになりて、よろづの重き物を多く付けて、左右(さう)の袖を人に持たせて、みづからは鉾(ほこ)をだに持たず、息つき苦しむありさま、いと見苦し。 | ||
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| + | ===== 翻刻 ===== | ||
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| + | 建治。弘安の比は祭の日の放免のつけ | ||
| + | 物に。ことやうなる紺の布の五たんに | ||
| + | て馬をつくりて。尾髪にはとうじみ | ||
| + | をして。くものゐかきたる水干につけて。 | ||
| + | 歌の心などいひて。わたりしことつねに | ||
| + | 見及び侍しなども。興ありてしたる心ち | ||
| + | にてこそ侍しかと。老たる道志どもの。 | ||
| + | 今日もかたり侍る也。此比はつけものとし | ||
| + | を送て。過差ことのほかになりて。万／k2-61r | ||
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| + | のをもき物をおほくつけて。左右の袖を | ||
| + | 人にもたせて。みづからはほこをだにもたず。 | ||
| + | いきつきくるしむ有様。いと見苦し／k2-61l | ||
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| + | http:// | ||
text/turezure/k_tsurezure221.txt.txt · 最終更新: 2018/11/10 12:20 by Satoshi Nakagawa