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text:turezure:k_tsurezure207.txt
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text:turezure:k_tsurezure207.txt [2018/10/24 00:30] (現在) – 作成 Satoshi Nakagawa
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 +徒然草
 +====== 第207段 亀山殿建てられんとて地を引かれけるに・・・ ======
 +
 +===== 校訂本文 =====
 +
 +亀山殿建てられんとて、地を引かれけるに、大なる蛇(くちなは)、数も知らずこり集りたる塚ありけり。
 +
 +「この所の神なり」と言ひて、ことのよしを申しければ、「いかがあるべき」と勅問ありけるに、「古くよりこの地を占めたる物ならば、さうなく掘り捨てられがたし」と、みな人申されけるに、この大臣((徳大寺実基。[[k_tsurezure206.txt|前段]]参照。))一人、「王土にをらん虫、皇居を建られんに、何の祟りをかなすべき。鬼神はよこしまなし。とがむべからず。ただ、みな掘り捨つべし」と申されたりければ、塚を崩して、蛇をば大井河((大堰川))に流してげり。
 +
 +さらに祟りなかりけり。
 +
 +===== 翻刻 =====
 +
 +  亀山殿たてられんとて。地をひかれける
 +  に大なるくちなは。かずもしらずこりあつ/k2-50l
 +
 +http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0002/he10_00934_0002_p0050.jpg
 +
 +  まりたる塚ありけり。此所の神なりと
 +  いひてことのよしを申ければ。いかがある
 +  べきと勅問ありけるに。ふるくより此地を
 +  しめたる物ならば。さうなくほりすてられ
 +  がたしと皆人申されけるに。此おとど
 +  一人。王土にをらん虫。皇居を建られん
 +  に何のたたりをかなすべき。鬼神はよ
 +  こしまなし。とがむべからず。ただみなほり
 +  捨べしと申されたりければ。塚をくづ
 +  して蛇をば大井河にながしてげり。/k2-51r
 +
 +  さらにたたりなかりけり/k2-51l
 +
 +http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0002/he10_00934_0002_p0051.jpg
  
text/turezure/k_tsurezure207.txt.txt · 最終更新: 2018/10/24 00:30 by Satoshi Nakagawa