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徒然草

第193段 暗き人の人を量りてその智を知れりと思はんさらに当たるべからず・・・

校訂本文

暗き人の、人を量りて、「その智を知れり」と思はん、さらに当たるべからず。

つたなき人の、碁打つことばかりに、さとく巧みなるは、賢き人の、この芸におろかなるを見て、「おのれが智に及ばず」と定めて、よろづの道の匠(たくみ)、わが道を人の知らざるを見て、「おのれ、すぐれたり」と思はんこと、大きなる誤りなるべし。

文字の法師・暗証の禅師、互ひに量りて、「おのれにしかず」と思へる、ともに当たらず。

おのれが境界にあらざるものをば、争ふべからず。是非すべからず。

翻刻

くらき人の。人をはかりて。其智をしれり
と思はん。さらにあたるべからず。つたなき人
の碁うつ事ばかりに。さとくたくみなるは。
かしこき人の。此藝にをろかなるを見て。
己が智に及ばずと定て。万の道のたく
み。我道を人のしらざるを見て。をのれ
すぐれたりと思はん事。大なる誤りなる/k2-45r
べし。文字の法師暗証の禅師。たがひ
にはかりて。をのれにしかずと思へる。共にあ
たらず。をのれが境界にあらざる物をば。
あらそふべからず。是非すべからず/k2-45l

http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0002/he10_00934_0002_p0045.jpg

text/turezure/k_tsurezure193.txt.txt · 最終更新: 2018/10/20 13:03 by Satoshi Nakagawa
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