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text:turezure:k_tsurezure140.txt
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text:turezure:k_tsurezure140.txt [2018/09/11 00:56] (現在) – 作成 Satoshi Nakagawa
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 +徒然草
 +====== 第140段 身死して財残ることは智者のせざるところなり・・・ ======
 +
 +===== 校訂本文 =====
 +
 +身死して財(たから)残ることは、智者のせざるところなり。よからぬ物、貯へ置きたるもつたなく、よき物は、「心をとめけん」とはかなし。
 +
 +こちたく多かる、まして口惜し。「われこそ得め」など言ふ者どもありて、あとに争ひたる、さま悪し。後は誰(たれ)にと心ざす物あらば、生けらんうちにぞ譲るべき。
 +
 +朝夕、無くてかなはざらん物こそあらめ、そのほかは、何も持たでぞあらまほしき。
 +
 +===== 翻刻 =====
 +
 +  身死して財残る事は。智者のせざる処
 +  也。よからぬ物。たくはへ置たるもつたなく。
 +  よき物は。心をとめけんとはかなし。こち
 +  たくおほかる。まして口おし。我こそ
 +  えめなどいふものども有て。跡にあらそひ/w2-10r
 +
 +  たるさまあし。後はたれにと心ざす物
 +  あらば。いけらんうちにぞゆづるべき。朝
 +  夕なくてかなはざらん物こそあらめ。其
 +  外は何ももたでぞあらまほしき/w2-10l
 +
 +http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0002/he10_00934_0002_p0010.jpg
  
text/turezure/k_tsurezure140.txt.txt · 最終更新: 2018/09/11 00:56 by Satoshi Nakagawa