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+ | 徒然草 | ||
+ | ====== 第119段 鎌倉の海に鰹といふ魚はかの境には双なきものにて・・・ ====== | ||
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+ | ===== 校訂本文 ===== | ||
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+ | 鎌倉の海に、鰹(かつを)といふ魚は、かの境(さかひ)には、双(さう)なきものにて、このごろもてなすものなり。 | ||
+ | |||
+ | それも、鎌倉の年寄りの申し侍りしは、「この魚、おのれら若かりし世までは、はかばかしき人の前へ出づること侍らざりき。頭(かしら)は下部(しもべ)も食はず。切り捨て侍りしものなり」と申しき。 | ||
+ | |||
+ | かやうのものも、世の末になれば、上(かみ)ざままでも入りたつわざにこそ侍れ。 | ||
+ | |||
+ | ===== 翻刻 ===== | ||
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+ | 鎌倉の海にかつをと云魚は。彼さかひには | ||
+ | さうなきものにて。此比もてなすもの也。/w1-86l | ||
+ | |||
+ | http:// | ||
+ | |||
+ | それも鎌倉の年よりの申侍しは。此 | ||
+ | 魚をのれらわかかりし世までは。はか | ||
+ | ばかしき人の前へ出る事侍らざりき。 | ||
+ | 頭は下部もくはず。きりてすて侍しも | ||
+ | の也と申き。かやうの物も。世の末になれば。 | ||
+ | 上さままでも入たつわざにこそ侍れ/w1-87r | ||
+ | |||
+ | http:// | ||
text/turezure/k_tsurezure119.txt.txt · 最終更新: 2018/08/20 00:01 by 127.0.0.1