text:turezure:k_tsurezure019.txt
差分
このページの2つのバージョン間の差分を表示します。
text:turezure:k_tsurezure019.txt [2018/06/09 13:59] – 作成 - 外部編集 127.0.0.1 | text:turezure:k_tsurezure019.txt [2022/07/31 22:15] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
---|---|---|---|
行 19: | 行 19: | ||
七夕祭るこそ、なまめかしけれ。やうやう夜寒になるほど、雁鳴きて来るころ、萩の下葉色づくほど、早稲田(わさだ)刈り干すなど、取り集めたることは、秋のみぞ多かる。また、野分の朝(あした)こそ、をかしけれ。 | 七夕祭るこそ、なまめかしけれ。やうやう夜寒になるほど、雁鳴きて来るころ、萩の下葉色づくほど、早稲田(わさだ)刈り干すなど、取り集めたることは、秋のみぞ多かる。また、野分の朝(あした)こそ、をかしけれ。 | ||
- | 言ひ続くれば、みな『源氏物語』・『枕草子』などに、ことふりにたれど、同じこと、また今さらに言はじとにもあらず。思しきこと言はぬは、腹ふくるるわざなれば、筆にまかせつつ、あぢきなきすさびにて、かつ破(や)り捨つべきものなれば、人の見るべきにもあらず。 | + | 言ひ続くれば、みな『源氏物語』・『枕草子』などに、ことふりにたれど、同じこと、また今さらに言はじとにもあらず。おぼしきこと言はぬは、腹ふくるるわざなれば、筆にまかせつつ、あぢきなきすさびにて、かつ破(や)り捨つべきものなれば、人の見るべきにもあらず。 |
さて、冬枯れの気色こそ、秋にはをさをさおとるまじけれ。汀(みぎは)の草に紅葉の散りとどまりて、霜いと白うおける朝。遣水(やりみづ)より煙の立つこそ、をかしけれ。 | さて、冬枯れの気色こそ、秋にはをさをさおとるまじけれ。汀(みぎは)の草に紅葉の散りとどまりて、霜いと白うおける朝。遣水(やりみづ)より煙の立つこそ、をかしけれ。 |
text/turezure/k_tsurezure019.txt.1528520378.txt.gz · 最終更新: 2018/06/09 13:59 by 127.0.0.1