text:towazu:towazu1-44
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text:towazu:towazu1-44 [2019/04/30 18:37] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:towazu:towazu1-44 [2019/04/30 22:00] (現在) – Satoshi Nakagawa | ||
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年も暮れ果てぬれば、心の内のもの思はしさは、いとどなぐさむ方なきに、里へだにえ出でぬに、今宵は東(ひむがし)の御方((洞院愔子))、参り給ふべき気色の見ゆれば、夜さりの供御果つるほどに、「腹の痛く侍り」とて、局へすべりたりしほどに、「如法(によほふ)夜深し((雪の曙の言葉))」とて、上口(うへくち)にたたずむ。「世中の恐しさいかが」とは思へども、このほどはとにかくに積りぬる日数言はるるも、ことわりならずしも覚ゆれば、忍びつつ局へ入れて、明けぬ先に起き別れしは、今日を限りの年の名残には、ややたちまさりて覚え侍りしぞ、われながら、よしなきもの思ひなりける。 | 年も暮れ果てぬれば、心の内のもの思はしさは、いとどなぐさむ方なきに、里へだにえ出でぬに、今宵は東(ひむがし)の御方((洞院愔子))、参り給ふべき気色の見ゆれば、夜さりの供御果つるほどに、「腹の痛く侍り」とて、局へすべりたりしほどに、「如法(によほふ)夜深し((雪の曙の言葉))」とて、上口(うへくち)にたたずむ。「世中の恐しさいかが」とは思へども、このほどはとにかくに積りぬる日数言はるるも、ことわりならずしも覚ゆれば、忍びつつ局へ入れて、明けぬ先に起き別れしは、今日を限りの年の名残には、ややたちまさりて覚え侍りしぞ、われながら、よしなきもの思ひなりける。 | ||
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思ひ出づるさへ、袖濡れ侍りて。 | 思ひ出づるさへ、袖濡れ侍りて。 | ||
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text/towazu/towazu1-44.1556617049.txt.gz · 最終更新: 2019/04/30 18:37 by Satoshi Nakagawa