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text:shaseki:ko_shaseki09b-09 [2019/04/17 21:50] – [校訂本文] Satoshi Nakagawatext:shaseki:ko_shaseki09b-09 [2019/04/17 21:51] (現在) – [翻刻] Satoshi Nakagawa
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     霊之詫仏法物語事     霊之詫仏法物語事
-  洛陽有女房霊病有けれは種々りけれとも有験のも +  洛陽有女房霊病有ケレハ種々リケレトモ有験ノモ 
-  のをもあさむきわらひけれはをよはてはてはうちすててけり東山 +  ノヲモアサムキワラヒケレハヲヨハテハテハウチステテケリ東山 
-  観勝寺上人をかけさすれは物狂しありと +  観勝寺上人ヲカケサスレハ物狂シアリト 
-  けれは彼符をかけさせんとするにうちひてかの我知彼 +  ケレハ彼符ヲカケサセントスルニウチヒテカノ我知彼 
-  法成就人也道心有人なれはしたかくをけとてをかす +  法成就人也道心有人ナレハシタカクヲケトテヲカス 
-  又或上人とてかけさせんとすれはあらかたはらいたとて笑 +  又或上人トテカケサセントスレハアラカタハライタトテ笑 
-  ひけり我知れり但秘事なれはいはしと云又ある名僧 +  ヒケリ我知レリ但秘事ナレハイハシト云又アル名僧 
-  符てつはきをかけてにてふみにしりていかにこれも仏 +  符テツハキヲカケテニテフミニシリテイカニコレモ仏 
-  法にてこそあるらめといへは名利あて仏法のきた +  法ニテコソアルラメトイヘハ名利アテ仏法ノキタ 
-  なきをふむなり仏法をはふますとけりかくのをき/k9-355r+  ナキヲフムナリ仏法ヲハフマストケリカクノヲキ/k9-355r
  
-  きてこれほと仏法道理知給へるによしなくまし霊 +  キテコレホト仏法道理知給ヘルニヨシナクマシ霊 
-  成給事何にとへは不審する所云れたり仏法 +  成給事何ニトヘハ不審スル所云レタリ仏法 
-  真実道心ありてこそ生死をはなれなれ +  真実道心アリテコソ生死ヲハナレナレ 
-  行すれとも名利執著ありてまことの菩提心なけれは魔 +  行スレトモ名利執著アリテマコトノ菩提心ナケレハ魔 
-  道一代聖教一不審なくれりるに道心 +  道一代聖教一不審ナクレリルニ道心 
-  なくして出離せすわつかに紙一重へたたりて也我天 +  ナクシテ出離セスワツカニ紙一重ヘタタリテ也我天 
-  台山立始りし者也とかたるさて当世智者人 +  台山立始リシ者也トカタルサテ当世智者人 
-  へはみなかひなくいへり東福寺上人開山事 +  ヘハミナカヒナクイヘリ東福寺上人開山事 
-  へはそれは末代かたき智者なりそれも三昧発 +  ヘハソレハ末代カタキ智者ナリソレモ三昧発 
-  せすといふかかる或遁世者仏法問んとてけるをそ +  セストイフカカル或遁世者仏法問ントテケルヲソ 
-  たゆきつかててかのとはんとて +  タユキツカテテカノトハントテ 
-  来るかたはらいたしといひけるを伝聞よりりにけりかの/k9-355l+  来ルカタハライタシトイヒケルヲ伝聞ヨリリニケリカノ/k9-355l
  
 https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00012949#?c=0&m=0&s=0&cv=354&r=0&xywh=-2030%2C617%2C5375%2C3195 https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00012949#?c=0&m=0&s=0&cv=354&r=0&xywh=-2030%2C617%2C5375%2C3195
  
-  夫ゆかりある真言師なるを祈祷のために高野しに +  夫ユカリアル真言師ナルヲ祈祷ノタメニ高野シニ 
-  人をやらんとてにてをかくをてなにしにつかはすくるし +  人ヲヤラントテニテヲカクヲテナニシニツカハスクルシ 
-  めにかの僧来てもなしといひけれはととめてけりある時北野 +  メニカノ僧来テモナシトイヒケレハトトメテケリアル時北野 
-  参籠したりけるに持経者よむを簾中より +  参籠シタリケルニ持経者ヨムヲ簾中ヨリ 
-  このをはりてあらききたからすのさしのおそろしさやこれ +  コノヲハリテアラキキタカラスノサシノオソロシサヤコレ 
-  ていによむはよむといふかといふれはわかき女房尋常 +  テイニヨムハヨムトイフカトイフレハワカキ女房尋常 
-  るなりさてによみそといへはいてよみてきかせんとて文 +  ルナリサテニヨミソトイヘハイテヨミテキカセントテ文 
-  をさらさらとよみて一段つつそのをゑもいはすしけれは +  ヲサラサラトヨミテ一段ツツソノヲヱモイハスシケレハ 
-  法門道理明申立てたとくへけり聞人みな随喜しけり +  法門道理明申立テタトクヘケリ聞人ミナ随喜シケリ 
-  持経者信心奇特をなしけり此事十年計 +  持経者信心奇特ヲナシケリ此事十年計 
-  中事也丹後とやらんりき此霊ける事聖 +  中事也丹後トヤランリキ此霊ケル事聖 
-  教道理にかなへり多聞智慧とは者也よのつねは/k9-356r+  教道理ニカナヘリ多聞智慧トハ者也ヨノツネハ/k9-356r
  
-  多聞智者あへり七種聖財とて +  多聞智者アヘリ七種聖財トテ 
-  慚多聞智慧捨離といへり多聞はひろく内外 +  慚多聞智慧捨離トイヘリ多聞ハヒロク内外 
-  典籍をならひあまねく権実教門をわきまへたるかことしかか +  典籍ヲナラヒアマネク権実教門ヲワキマヘタルカコトシカカ 
-  名聞利養我相憍慢ありて真実智慧道心 +  名聞利養我相憍慢アリテ真実智慧道心 
-  もなけれはみな魔道におち邪路入也故経云雖有色族+  モナケレハミナ魔道ニオチ邪路入也故経云雖有色族
   及多聞若無戒智猶禽獣雖処卑賤小聞見有戒智恵名   及多聞若無戒智猶禽獣雖処卑賤小聞見有戒智恵名
-  勝士冨貴にして容貌たえに広学多聞なりとも +  勝士冨貴ニシテ容貌タエニ広学多聞ナリトモ 
-  智もなからん鳥獣卑賤にして寡聞なりとも戒智あら +  智モナカラン鳥獣卑賤ニシテ寡聞ナリトモ戒智アラ 
-  たるなるへしとまことにしかるへき事也諸道昇沈 +  タルナルヘシトマコトニシカルヘキ事也諸道昇沈 
-  戒持毀により見仏不見仏緩急にまかせたりといひ +  戒持毀ニヨリ見仏不見仏緩急ニマカセタリトイヒ 
-  悪趣をはなれ善処するにより +  悪趣ヲハナレ善処スルニヨリ 
-  ことは智慧によるとまことになるへし多聞すくな/k9-356l+  コトハ智慧ニヨルトマコトニナルヘシ多聞スクナ/k9-356l
  
 https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00012949#?c=0&m=0&s=0&cv=355&r=0&xywh=-2465%2C348%2C5805%2C3451 https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00012949#?c=0&m=0&s=0&cv=355&r=0&xywh=-2465%2C348%2C5805%2C3451
  
-  只如実をうる方便なるへし一向すへからすされ +  只如実ヲウル方便ナルヘシ一向スヘカラスサレ 
-  聖財にはたるたた名利をやめ憍慢なくは +  聖財ニハタルタタ名利ヲヤメ憍慢ナクハ 
-  利他興隆もありぬへし首楞厳経云心するを +  利他興隆モアリヌヘシ首楞厳経云心スルヲ 
-  戒としによてによて六道衆生其心 +  戒トシニヨテニヨテ六道衆生其心 
-  媱せされは生死相続せす媱心のをこらされは生死出へからす +  媱セサレハ生死相続セス媱心ノヲコラサレハ生死出ヘカラス 
-  たとひ多智禅定現前共若滛せすはかならす魔道にお +  タトヒ多智禅定現前共若滛セスハカナラス魔道ニオ 
-  上品魔王中品魔民下品魔女てみな徒衆 +  上品魔王中品魔民下品魔女テミナ徒衆 
-  りてをのをの無上道をなれりとはん我滅度後末法 +  リテヲノヲノ無上道ヲナレリトハン我滅度後末法 
-  此魔民おほくして世間熾盛ならんひろく貪滛して善知識 +  此魔民オホクシテ世間熾盛ナランヒロク貪滛シテ善知識 
-  として衆生をして愛見におとし菩提せんと +  トシテ衆生ヲシテ愛見ニオトシ菩提セント 
-  説けりをたたさる猶魔道落況にもして慚愧 +  説ケリヲタタサル猶魔道落況ニモシテ慚愧 
-  からんをや盗殺妄にをこすは生死出へからすといへり/k9-357r+  カランヲヤ盗殺妄ニヲコスハ生死出ヘカラストイヘリ/k9-357r
  
-  此説るに凡夫たれかこのをたたん真実道念 +  此説ルニ凡夫タレカコノヲタタン真実道念 
-  つて対治覚観なからんやうやくすへし論 +  ツテ対治覚観ナカランヤウヤクスヘシ論 
-  蔵四重禁なけれはさるかことしと +  蔵四重禁ナケレハサルカコトシト 
-  三乗依住なるよしへたり以四根本三乗依 +  三乗依住ナルヨシヘタリ以四根本三乗依 
-  住りいつれの行者れつつしむへしわたくしにこれ +  住リイツレノ行者レツツシムヘシワタクシニコレ 
-  一文字にてしておそろしくきたなくおしくむつかし +  一文字ニテシテオソロシクキタナクオシクムツカシ 
-  妄物なるをや法性寺禅定殿下御時御内女房 +  妄物ナルヲヤ法性寺禅定殿下御時御内女房 
-  つきてさまさまの事申けるに中古智者のきこゑありし諸 +  ツキテサマサマノ事申ケルニ中古智者ノキコヱアリシ諸 
-  宗名人多魔道にあり明慧房解脱房そいつちへゆきたる +  宗名人多魔道ニアリ明慧房解脱房ソイツチヘユキタル 
-  哉覧見へぬといひける真実智者道心者ときこゑしかはさも +  哉覧見ヘヌトイヒケル真実智者道心者トキコヱシカハサモ 
-  侍らん大唐国清寺天台大師旧跡なり豊干 +  侍ラン大唐国清寺天台大師旧跡ナリ豊干 
-  禅師行者拾得つねに寒山子とともなひせるにたる人/k9-357l+  禅師行者拾得ツネニ寒山子トトモナヒセルニタル人/k9-357l
  
 https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00012949#?c=0&m=0&s=0&cv=356&r=0&xywh=-2386%2C633%2C5375%2C3195 https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00012949#?c=0&m=0&s=0&cv=356&r=0&xywh=-2386%2C633%2C5375%2C3195
  
-  也まことには普賢文殊化身也ける僧布薩説戒しけ +  也マコトニハ普賢文殊化身也ケル僧布薩説戒シケ 
-  るを幽々たるかなをあつめて何事をかなすといひて +  ルヲ幽々タルカナヲアツメテ何事ヲカナストイヒテ 
-  駈にてわらひけるを老僧いかりて風狂子我説戒 +  駈ニテワラヒケルヲ老僧イカリテ風狂子我説戒 
-  すといひける返事無瞋即是戒心浄即出家我性与 +  ストイヒケル返事無瞋即是戒心浄即出家我性与 
-  汝合一切法如是といひてをかりてをよふに牛 +  汝合一切法如是トイヒテヲカリテヲヨフニ牛 
-  いらへほゑてすきけり前生をたもたされは人面にして心 +  イラヘホヱテスキケリ前生ヲタモタサレハ人面ニシテ心 
-  也仏恩大なりといへとも如是物をはいかにとするなしと云 +  也仏恩大ナリトイヘトモ如是物ヲハイカニトスルナシト云 
-  てなくなくをかひけり一念心中十果あり地獄 +  テナクナクヲカヒケリ一念心中十果アリ地獄 
-  餓鬼畜生修羅人天声聞縁覚菩薩仏界也性色 +  餓鬼畜生修羅人天声聞縁覚菩薩仏界也性色 
-  形見へねともその体性天然としてあらたまらすして +  形見ヘネトモソノ体性天然トシテアラタマラスシテ 
-  たるへきありへきあるか如 +  タルヘキアリヘキアルカ如 
-  にあひにいたてあらはるるをといふなりなけれはあらはれ/k9-358r+  ニアヒニイタテアラハルルヲトイフナリナケレハアラハレ/k9-358r
  
-  すその善悪なり十悪上中下地獄鬼畜 +  スソノ善悪ナリ十悪上中下地獄鬼畜 
-  となり三悪道あらはる十善下中上修羅人天 +  トナリ三悪道アラハル十善下中上修羅人天 
-  となり三善道あらはれ四諦十二因縁二乗縁 +  トナリ三善道アラハレ四諦十二因縁二乗縁 
-  となり六度無相菩薩仏界となるれは前世 +  トナリ六度無相菩薩仏界トナルレハ前世 
-  十善業因今生人身をゑたり今生心中そみ +  十善業因今生人身ヲヱタリ今生心中ソミ 
-  つくりをく善悪業因秤のものをはかるかことくしてまつ業 +  ツクリヲク善悪業因秤ノモノヲハカルカコトクシテマツ業 
-  其果すへしかの僧過去人身をえてとなれりとい +  其果スヘシカノ僧過去人身ヲエテトナレリトイ 
-  へとも戒智なく信施消せすして畜生業心にありける人 +  ヘトモ戒智ナク信施消セスシテ畜生業心ニアリケル人 
-  身やふれて畜生とあらはる以思はかれにを +  身ヤフレテ畜生トアラハル以思ハカレニヲ 
-  よひかたし虚受信施報才多くは地獄へきをや当来 +  ヨヒカタシ虚受信施報才多クハ地獄ヘキヲヤ当来 
-  果今生にてしるへし昔僧護比丘海辺ありと +  果今生ニテシルヘシ昔僧護比丘海辺アリト 
-  中食さんとすればをひく僧是/k9-358l+  中食サントスレバヲヒク僧是/k9-358l
      
 https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00012949#?c=0&m=0&s=0&cv=357&r=0&xywh=-1959%2C591%2C5375%2C3195 https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00012949#?c=0&m=0&s=0&cv=357&r=0&xywh=-1959%2C591%2C5375%2C3195
  
-  如是して五十餘をみるにかれは迦葉仏滅 +  如是シテ五十餘ヲミルニカレハ迦葉仏滅 
-  後破戒比丘地獄也との又国清寺僧定修 +  後破戒比丘地獄也トノ又国清寺僧定修 
-  するあり定中塩現してをさふこれは常住少分かりて +  スルアリ定中塩現シテヲサフコレハ常住少分カリテ 
-  わすれてささりけるとなりにけり又或てらの長老常 +  ワスレテササリケルトナリニケリ又或テラノ長老常 
-  住客人にあたへてさすしてとなる事有 +  住客人ニアタヘテサスシテトナル事有 
-  南山律師云一鉢をはかるに一鉢よりたり +  南山律師云一鉢ヲハカルニ一鉢ヨリタリ 
-  是肉にては血也皮にへたてられてすめるとなるしか +  是肉ニテハ血也皮ニヘタテラレテスメルトナルシカ 
-  れはあせは即血也はしめかへすよりくるしみいとなむ +  レハアセハ即血也ハシメカヘスヨリクルシミイトナム 
-  てのわつらひいくはくそや定家にも此意をよみへり +  テノワツラヒイクハクソヤ定家ニモ此意ヲヨミヘリ 
-    春苗代秋のかりほのそめきまてくるしくゆるしつのを +    春苗代秋ノカリホノソメキマテクルシクユルシツノヲ 
-  たまき曰毎一食思稼穡艱辛毎一衣念紡績劬 +  タマキ曰毎一食思稼穡艱辛毎一衣念紡績劬 
-  労云々誠をおそるるはこのをつつしむへし永/k9-359r+  労云々誠ヲオソルルハコノヲツツシムヘシ永/k9-359r
  
-  喜大師耕鋤にあらさるをとし蚕口にあらさるをとすと +  喜大師耕鋤ニアラサルヲトシ蚕口ニアラサルヲトスト 
-  いひて牛馬人たるものをもちゐすをきはさり +  イヒテ牛馬人タルモノヲモチヰスヲキハサリ 
-  けり信施のゆへにことにをもししみよりたる +  ケリ信施ノユヘニコトニヲモシシミヨリタル 
-  おなしけれは在家此事をわきまへて仁義礼智信五 +  オナシケレハ在家此事ヲワキマヘテ仁義礼智信五 
-  常をまほりをやすくしをあはれみのわつらひのついへを +  常ヲマホリヲヤスクシヲアハレミノワツラヒノツイヘヲ 
-  しりすくなく情有へきに仁慧ある末代にすくなくこそき +  シリスクナク情有ヘキニ仁慧アル末代ニスクナクコソキ 
-  こゆれ仁慧なきをはには碩鼠碩鼠我悦といひ +  コユレ仁慧ナキヲハニハ碩鼠碩鼠我悦トイヒ 
-  なる五穀するにたとふ国王天下父母 +  ナル五穀スルニタトフ国王天下父母 
-  として万人れみやすくせんためなり百官又その主 +  トシテ万人レミヤスクセンタメナリ百官又ソノ主 
-  とりてをたすけれはをまなふへし仁義なく +  トリテヲタスケレハヲマナフヘシ仁義ナク 
-  してをついやすねすみのことしといへり又大海穴 +  シテヲツイヤスネスミノコトシトイヘリ又大海穴 
-  ありこれを尾閭云諸河水日夜かのてう/k9-359l+  アリコレヲ尾閭云諸河水日夜カノテウ/k9-359l
  
 https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00012949#?c=0&m=0&s=0&cv=358&r=0&xywh=-2124%2C606%2C5375%2C3195 https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00012949#?c=0&m=0&s=0&cv=358&r=0&xywh=-2124%2C606%2C5375%2C3195
  
-  する海水増せす四海民農乗してにたてまつるをもちゐ +  スル海水増セス四海民農乗シテニタテマツルヲモチヰ 
-  つくすにたとふ官禄をうけなからなくなくして +  ツクスニタトフ官禄ヲウケナカラナクナクシテ 
-  国をついやしをなやますは第二のいましむるにあたる +  国ヲツイヤシヲナヤマスハ第二ノイマシムルニアタル 
-  然はみな未来につくのふへきなり僧衆経法にそむくのみにあ +  然ハミナ未来ニツクノフヘキナリ僧衆経法ニソムクノミニア 
-  らす俗人律令する事是おほし道俗共欲心あさく智 +  ラス俗人律令スル事是オホシ道俗共欲心アサク智 
-  恵ふかくはをのつから法令にかなひぬへし末代にしたかひて +  恵フカクハヲノツカラ法令ニカナヒヌヘシ末代ニシタカヒテ 
-  情なくふかくうすくあさしなにとしてか先賢のをしへにした +  情ナクフカクウスクアサシナニトシテカ先賢ノヲシヘニシタ 
-  かひ古聖のいましめにかなはんたた三毒五欲にす三 +  カヒ古聖ノイマシメニカナハンタタ三毒五欲ニス三 
-  途八難をはなれんかなしき哉夫智慧心空くして執著 +  途八難ヲハナレンカナシキ哉夫智慧心空クシテ執著 
-  処也万法因縁和合してんとす +  処也万法因縁和合シテントス 
-  れはもなくもなくんとすれはありあり因縁和 +  レハモナクモナクントスレハアリアリ因縁和 
-  合すれは十界依正かりなりといへとも因果さたまりあり凡聖/k9-360r+  合スレハ十界依正カリナリトイヘトモ因果サタマリアリ凡聖/k9-360r
  
-  品ことなりこのゆへにには万法性空して著想なく +  品コトナリコノユヘニニハ万法性空シテ著想ナク 
-  因縁仮相たかはさることをわきまへて信心あらは御 +  因縁仮相タカハサルコトヲワキマヘテ信心アラハ御 
-  意にかなふへし一切みな幻化なり地獄より仏界まてまほ +  意ニカナフヘシ一切ミナ幻化ナリ地獄ヨリ仏界マテマホ 
-  ろしにすと云事なし六趣妄情よりして煩悩業 +  ロシニスト云事ナシ六趣妄情ヨリシテ煩悩業 
-  苦誠にかなしき幻也四聖幻化真性よりおこる妙用幻 +  苦誠ニカナシキ幻也四聖幻化真性ヨリオコル妙用幻 
-  化にて利生方便真にたへなり幻化也といへとも差別 +  化ニテ利生方便真ニタヘナリ幻化也トイヘトモ差別 
-  きにあらす善能分別説法相於第一本心不動云此意 +  キニアラス善能分別説法相於第一本心不動云此意 
-  成へし肇論曰幻化人無にあらす幻化是実にあらすとい +  成ヘシ肇論曰幻化人無ニアラス幻化是実ニアラストイ 
-  へり幻化偏計妄情也幻化もなしと断無 +  ヘリ幻化偏計妄情也幻化モナシト断無 
-  邪見也此故実際理地には不受一塵仏事門中 +  邪見也此故実際理地ニハ不受一塵仏事門中 
-  不捨一法をといへりなる哉 +  不捨一法ヲトイヘリナル哉 
-  そのかみ東大寺法師にて信救得業とて才覚ありけり朗/k9-360l+  ソノカミ東大寺法師ニテ信救得業トテ才覚アリケリ朗/k9-360l
  
 https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00012949#?c=0&m=0&s=0&cv=359&r=0&xywh=-1898%2C670%2C5375%2C3195 https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00012949#?c=0&m=0&s=0&cv=359&r=0&xywh=-1898%2C670%2C5375%2C3195
  
-  詠注なとしたる物也山法師一巻真言につくりて陀 +  詠注ナトシタル物也山法師一巻真言ニツクリテ陀 
-  羅尼曰唵山法師腹黒々々欲深々々あらにくや娑 +  羅尼曰唵山法師腹黒々々欲深々々アラニクヤ娑 
-  婆訶とつくれり信救そしつらんとて山法師いきとをりふかかり +  婆訶トツクレリ信救ソシツラントテ山法師イキトヲリフカカリ 
-  けれは本寺れて田舎けりといへり +  ケレハ本寺レテ田舎ケリトイヘリ 
-  とりかへて奈良法師京法師田舎法師俗士女人老 +  トリカヘテ奈良法師京法師田舎法師俗士女人老 
-  少貴賤とりかへとりかへかきぬへき世中也 +  少貴賤トリカヘトリカヘカキヌヘキ世中也 
-  義浄三蔵云聖教八万要唯有二内凝真知見境倶棄 +  義浄三蔵云聖教八万要唯有二内凝真知見境倶棄 
-  外順俗途奉禁亡辞いふには能見をたてす所見 +  外順俗途奉禁亡辞イフニハ能見ヲタテス所見 
-  せすして昏散共にのそこり寂照ならひてすへしには +  セスシテ昏散共ニノソコリ寂照ナラヒテスヘシニハ 
-  ふかく因果縁起をやふらすして禁戒をまほり旧 +  フカク因果縁起ヲヤフラスシテ禁戒ヲマホリ旧 
-  業をけせといへり仏法肝心なるへし天台 +  業ヲケセトイヘリ仏法肝心ナルヘシ天台 
-  真無生をそらなさすをやと智論云菩薩/k9-361r+  真無生ヲソラナサスヲヤト智論云菩薩/k9-361r
  
-  実相する時一法すはをやふるへしやいはく実 +  実相スル時一法スハヲヤフルヘシヤイハク実 
-  相するか猶福をつくらすをや又云空二有 +  相スルカ猶福ヲツクラスヲヤ又云空二有 
-  一には悪空諸法空也にしてあくをつくる +  一ニハ悪空諸法空也ニシテアクヲツクル 
-  善空諸法をしりて +  善空諸法ヲシリテ 
-  悪ぬるゆへといへり悪見意法性道理 +  悪ヌルユヘトイヘリ悪見意法性道理 
-  そむけりといふは無著心万法不可得する姿 +  ソムケリトイフハ無著心万法不可得スル姿 
-  なり不可得ならは執著あるへからす水月鏡像せさるかこ +  ナリ不可得ナラハ執著アルヘカラス水月鏡像セサルカコ 
-  としをつくるなきにあらすなせともなしといはは著 +  トシヲツクルナキニアラスナセトモナシトイハハ著 
-  なくはなしてなにかせん又空なるといはは空也これを +  ナクハナシテナニカセン又空ナルトイハハ空也コレヲ 
-  なすへし悪見をはいとひてなさすをはこのみてつ +  ナスヘシ悪見ヲハイトヒテナサスヲハコノミテツ 
-  くる愛恚あり平等はん又善有相也 +  クル愛恚アリ平等ハン又善有相也 
-  いはは有相也只妄情にのみかなひて仏教にそむ/k9-361l+  イハハ有相也只妄情ニノミカナヒテ仏教ニソム/k9-361l
  
 https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00012949#?c=0&m=0&s=0&cv=360&r=0&xywh=-1998%2C469%2C5805%2C3451 https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00012949#?c=0&m=0&s=0&cv=360&r=0&xywh=-1998%2C469%2C5805%2C3451
  
-  けり大乗学者にままに妄見をおこすあり天台止 +  ケリ大乗学者ニママニ妄見ヲオコスアリ天台止 
-  観せり大乗邪見すはになす +  観セリ大乗邪見スハニナス 
-  しとされは醍醐上味世たれとも悪見毒 +  シトサレハ醍醐上味世タレトモ悪見毒 
-  薬とすと古人云坐水月道場修空花万行降鏡 +  薬トスト古人云坐水月道場修空花万行降鏡 
-  像天魔成夢中仏果是真のをしへなりこひねかふへき心 +  像天魔成夢中仏果是真ノヲシヘナリコヒネカフヘキ心 
-  行也悪見にかなはしかし起信論には信 +  行也悪見ニカナハシカシ起信論ニハ信 
-  すへしといへり真如三宝となり真如三宝妙体三宝 +  スヘシトイヘリ真如三宝トナリ真如三宝妙体三宝 
-  真如妙用也此ほかになにをかせんや天台云但信法 +  真如妙用也此ホカニナニヲカセンヤ天台云但信法 
-  性不信其餘云々此信まことの道源功徳母なり先達され +  性不信其餘云々此信マコトノ道源功徳母ナリ先達サレ 
-  しは仏法といふはには真如には因果すこ +  シハ仏法トイフハニハ真如ニハ因果スコ 
-  仏法大意也此道理にそむきて無礙をおこし放逸 +  仏法大意也此道理ニソムキテ無礙ヲオコシ放逸 
-  事せは道人にあらす釈子をそむけり仏法学/k9-362r+  事セハ道人ニアラス釈子ヲソムケリ仏法学/k9-362r
  
-  すといへとも魔業をまぬかるへからす華厳経には菩提心なき +  ストイヘトモ魔業ヲマヌカルヘカラス華厳経ニハ菩提心ナキ 
-  業皆魔業となるといへりける事経へり是 +  業皆魔業トナルトイヘリケル事経ヘリ是 
-  道人亀鏡にそなへんために経論彼語証明 +  道人亀鏡ニソナヘンタメニ経論彼語証明 
-  侍行人用意学者故実なるへし能々我心行して +  侍行人用意学者故実ナルヘシ能々我心行シテ 
-  魔業をなさすして仏行すへし戒行おろそかなりとも正 +  魔業ヲナサスシテ仏行スヘシ戒行オロソカナリトモ正 
-  見なるは福田あり十輪心地等僧宝とすと +  見ナルハ福田アリ十輪心地等僧宝トスト 
-  たり戒行全くとも正見ならさるはなり福田なし此 +  タリ戒行全クトモ正見ナラサルハナリ福田ナシ此 
-  由経論せり先徳のいはく発心僻越しぬれは万 +  由経論セリ先徳ノイハク発心僻越シヌレハ万 
-  行徒すとよくよくふへし無益苦行外道法成へし+  行徒ストヨクヨクフヘシ無益苦行外道法成ヘシ
      
   沙石集巻第九下終    神護寺  迎接院/k9-362l   沙石集巻第九下終    神護寺  迎接院/k9-362l
text/shaseki/ko_shaseki09b-09.txt · 最終更新: 2019/04/17 21:51 by Satoshi Nakagawa