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text:shaseki:ko_shaseki08a-01 [2019/02/16 16:01] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:shaseki:ko_shaseki08a-01 [2019/02/16 22:59] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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- | 下総国に、ある俗、一生鷹をつかふ。ある時、病患(びやうげん)大事にして、苦痛五体を責む。ことに、「股を雉の食くふこと、耐へがたし」と、声を立てて叫ぶ。 | + | 下総国に、ある俗、一生鷹をつかふ。ある時、病患(びやうげん)大事にして、苦痛五体を責む。ことに、「股を雉の食ふこと、耐へがたし」と、声を立てて叫ぶ。 |
これを見るに、さることなし。「物狂はしきにこそ」と、看病の者思ふほどに、あまりに術(じゆつ)ながりけるとき見れば、股の肉、さながら刀にて切り取りたるがごとく見えけり。さて、をめき叫びて失せにけり。 | これを見るに、さることなし。「物狂はしきにこそ」と、看病の者思ふほどに、あまりに術(じゆつ)ながりけるとき見れば、股の肉、さながら刀にて切り取りたるがごとく見えけり。さて、をめき叫びて失せにけり。 | ||
- | これ体(てい)のこと、あまた侍れども、一つにて足りぬ。また、下野にも鶉に食はれたる者ありき。また、鷹の夏飼(なつがひ)に殺せる者ども、病中に囲遶(ゐねう)したること侍り。 | + | これ体(てい)のこと、あまた侍れども、一つにて足りぬ。また、下野にも鶉(うづら)に食はれたる者ありき。また、鷹の夏飼(なつがひ)に殺せる者ども、病中に囲遶(ゐねう)したること侍り。 |
ことの体、同じやうに侍れば記さず。 | ことの体、同じやうに侍れば記さず。 |
text/shaseki/ko_shaseki08a-01.txt · 最終更新: 2019/02/16 22:59 by Satoshi Nakagawa