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text:sesuisho:n_sesuisho6-088

醒睡笑 巻6 推はちがうた

5 いかにもきつき姑の死したる時嫁歎き涙を流すことかぎりなし・・・

校訂本文

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いかにもきつき姑(しうとめ)の死したる時、嫁歎き涙を流すことかぎりなし。「さても奇特や。常は仲も悪しきよし聞きつるに」と、人々言ひ感じければ、「さればとよ。このままにて死なれたらば、いかばかり嬉しかるべきが、もしまたも生き返へられたらば、その時の心憂さ1)いかがあらんやと思ひやられてさへ泣くなり」とぞ。

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一 如何にもきつきしうとめのししたる時よめなけ
  き涙をながす事かきりなしさても奇特や
  常は中もあしきよし聞つるにと人々いひ
  感しけれはされはとよ此ままにてしなれたらはいかはかり/n6-43r
  嬉しかるへきが若又もいきかへられたらは其時
  の心うきいかがあらんやとおもひやられてさへな
  くなりとそ/n6-43l
1)
「憂さ」が底本「うき」。諸本により訂正。
text/sesuisho/n_sesuisho6-088.txt · 最終更新: 2022/05/17 23:06 by Satoshi Nakagawa