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text:sesuisho:n_sesuisho6-082

醒睡笑 巻6 詮ない秘密

7 わが身を謙り何はにつけ卑下する人ある時馬の庭乗りしけるに・・・

校訂本文

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わが身を謙(へりくだ)り、何はにつけ卑下する人、ある時、馬の庭乗りしけるに、「太く、たくましく、足きいて」など、人みな讃めければ1)、「いや、おのおの御覧ぜらるる片腹は肥えて候へども、御目の参らぬ陰の片腹は、一円痩せて2)候ふ」と。

曽我の十郎の馬なりと、片身境(さか)うては痩せまいの。

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一 我身を謙なにはにつけ卑下する人ある
  時馬の庭乗しけるにふとくたくましく足
  きいてなと人みなほめをれはいやをのをの御
  覧せらるるかた腹は肥て候へとも御目のま
  いらぬかげのかた腹は一円やけて候と
    曽我の十郎の馬なりと片身さかふてはやせまいの/n6-40l
1)
「ければ」は底本「をれは」。諸本により訂正。
2)
「痩せて」は底本「やけて」。諸本により訂正。
text/sesuisho/n_sesuisho6-082.txt · 最終更新: 2022/05/15 22:40 by Satoshi Nakagawa