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text:sesuisho:n_sesuisho4-035

醒睡笑 巻4 いやな批判

8 人ありて昼は振舞に行くと言ふ・・・

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人ありて、「昼は振舞(ふるまひ)に行く」と言ふ。一人言ふ、「『ふるまひ』にてはなし。『ふれまひ』がよし」と。二人の論、つひに果てず。

折節、回国(くわいこく)の沙門あり。「理は左右方ともにあきらけし。予が決するいはれを聞け。兼日(けんじつ)より人をまはし文をつかはし、呼ぶや呼ばるるをば『ふれまい』といつて、その体(てい)重し。自然天然(しぜんてんねん)と行きがかりに、とりあへず振舞ひ振舞はるるをば『ふるまひ』とよんで、くらゐ軽(かろ)くよし」。

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一 人ありて昼(ひる)は振舞に行といふ一人いふふる/n4-30l
  まひにてはなしふれまひがよしと二人の論
  つゐにはてず折ふし回国の沙門あり理は左
  右方ともにあきらけし予(よか)決(けつ)するいはれをきけ
  兼日(けんしつ)より人をまはし文をつかはしよぶやよば
  るるをはふれまいといつて其てゐおもし自
  然天然と行がかりにとりあへすふるまひ
  ふるまはるるをばふるまひとよんでくらゐ
  かろくよし/n4-31r
text/sesuisho/n_sesuisho4-035.txt · 最終更新: 2021/11/28 11:47 by Satoshi Nakagawa