ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:sesuisho:n_sesuisho4-031
no way to compare when less than two revisions

差分

このページの2つのバージョン間の差分を表示します。


text:sesuisho:n_sesuisho4-031 [2021/11/27 21:46] (現在) – 作成 Satoshi Nakagawa
行 1: 行 1:
 +[[index.html|醒睡笑]] 巻4 いやな批判
 +====== 4 山深く住む者一人連れだち国中に出でけり・・・ ======
 +
 +===== 校訂本文 =====
 +
 +[[n_sesuisho4-030|<<PREV]] [[index.html|『醒睡笑』TOP]] [[n_sesuisho4-032|NEXT>>]]
 +
 +山深く住む者、一人連れだち国中(くになか)に出でけり。振舞ひの膳部(ぜんぶ)に、螺(にし)の壺煎(つぼいり)を添ゆる。「珍しき物かな」とて、二人ながら、かの螺殻(にしがら)を懐中して帰りぬ。
 +
 +一人は、「『へふぐり((「へふぐり」は底本「へふり」。後の若大夫の言葉に「へふぐり」とあることから訂正。))』といふ物」と、一人は、「『まどひき』といふ物」と争ひ、「峠(たうげ)の若大夫こそ、かかる物をば見知らんず」とて、さし出だしたれば、よく見しりたる顔に、造作(ざうさ)もなく、「『へふぐり』でも『まどひき』でもなし。『にかはづけ』といふ物候よ((「候よ」は底本「いよ」。諸本により訂正。))。
 +
 +[[n_sesuisho4-030|<<PREV]] [[index.html|『醒睡笑』TOP]] [[n_sesuisho4-032|NEXT>>]]
 +
 +===== 翻刻 =====
 +
 +  一 山ふかくすむ者一人つれたち国中に出けり
 +    振舞(ふるまい)の膳部(ぜんぶ)ににしのつほいりをそゆるめづ
 +    らしき物かなとてふたりなからかのにしからを/n4-28l
 +
 +    懐中(くわいちう)してかへりぬ一人はへふりといふ物と
 +    一人はまどひきといふ物とあらそひとうげの
 +    若大夫こそかかる物をは見しらんすとてさし
 +    出したれはよく見しりたるかほに造作(さうさ)もなく
 +    へふぐりてもまとひきてもなしにかはつけと
 +    いふ物いよ/n4-29r
  
text/sesuisho/n_sesuisho4-031.txt · 最終更新: 2021/11/27 21:46 by Satoshi Nakagawa