text:sesuisho:n_sesuisho1-024
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— | text:sesuisho:n_sesuisho1-024 [2021/04/07 15:06] (現在) – 作成 Satoshi Nakagawa | ||
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+ | [[index.html|醒睡笑]] 巻1 謂へば謂はるる物の由来 | ||
+ | ====== 24 へちまの皮とも思はぬとは・・・ ====== | ||
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+ | ===== 校訂本文 ===== | ||
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+ | 「へちまの皮とも思はぬ」とは、紀の国の山家に、大辺路(おほへち)・小辺路(こへち)とて、峰高う岸けはしく、つづらおりなるつたひ道、人馬の往来たやすからぬ切所(せつしよ)あり。かのあたりに使ふ馬は、糠(ぬか)につけ藁(わら)につけ、大豆などは申すに及ばねば、まことに骨ばかりなるさまなり。 | ||
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+ | さるほどに、かしこの馬、皮を剥ぎても、背のあと瘡(かさ)の跡疵(あときず)のみにて、何の役にも立たぬものを、へち馬(ま)の皮とも思はぬことにいふならん。 | ||
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+ | ===== 翻刻 ===== | ||
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+ | 一 へちまの皮ともおもはぬとは紀の国の山家に | ||
+ | 大へち小へちとて峯たかふ岸けはし | ||
+ | くつつらおりなるつたひ道人馬の往来 | ||
+ | たやすからぬ切所(せつしよ)あり彼あたりにつかふ馬は | ||
+ | 糠(ぬか)につけ藁(わら)につけ大豆なとは申にをよはねは | ||
+ | 実に骨(ほね)斗なる様なりさるほとにかしこの馬 | ||
+ | 皮を剥てもせのあと瘡(かさ)の跡疵のみにて何 | ||
+ | のやくにもたたぬ物をへち馬の皮ともお | ||
+ | もはぬ事にいふならん/n1-13l | ||
text/sesuisho/n_sesuisho1-024.txt · 最終更新: 2021/04/07 15:06 by Satoshi Nakagawa