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text:sesuisho:n_sesuisho1-020
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text:sesuisho:n_sesuisho1-020 [2021/04/04 12:39] (現在) – 作成 Satoshi Nakagawa
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 +[[index.html|醒睡笑]] 巻1 謂へば謂はるる物の由来
 +====== 20 山城の国伏見のつづきに法性寺といふ在所あり・・・ ======
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 +===== 校訂本文 =====
 +[[n_sesuisho1-019|<<PREV]] [[index.html|『醒睡笑』TOP]] [[n_sesuisho1-021|NEXT>>]]
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 +山城の国伏見のつづきに法性寺(ほふしやうじ)といふ在所あり。
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 +人、「ここをば何とて寺の名を呼ぶぞや」。老いたる男出で合ひ、「さること候ふ。昔、この地に庄屋あり。彼焼き米を好いて食ふ。終日噛みくたびれ、頬に含みながら寝入りたり。鼠、匂ひにたより食ひ破り、大きに口を開けけり。
 +
 +その朝、地下の者どもとぶらひ来る中に、金瘡(きんさう)の上手あり。「風を引きては悪しかりなむ」と、まづ障子(しやうじ)を折りて疵(きず)の口に立てしより、「ほうしやうじ((頬障子・法性寺))」とはいふなり。
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 +[[n_sesuisho1-019|<<PREV]] [[index.html|『醒睡笑』TOP]] [[n_sesuisho1-021|NEXT>>]]
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 +===== 翻刻 =====
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 +  一 山城の国伏見のつつきに法性(しやう)寺といふ在
 +    所あり人此処をは何とて寺の名をよふ
 +    そや老たる男出合さる事候昔此地に庄屋
 +    有かれやき米をすいて食終日かみくたびれ
 +    ほうにふくみなからねいりたり鼠(ねすみ)にほひにた
 +    よりくひやふり大に口をあけけり其朝地/n1-11l
 +
 +    下の者ともとふらひくる中に金瘡(きんさう)の上手
 +    あり風を引てはあしかりなむと先障子(しやうし)を折
 +    て疵(きす)の口にたてしよりほうしやうしとはいふ也/n1-12r
  
text/sesuisho/n_sesuisho1-020.txt · 最終更新: 2021/04/04 12:39 by Satoshi Nakagawa