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text:senjusho:m_senjusho01-01 [2016/05/01 16:42] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:senjusho:m_senjusho01-01 [2016/05/03 21:29] – [巻1第1話(1) 増賀聖人] Satoshi Nakagawa | ||
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- | 撰集抄 | + | 撰集抄 |
- | ====== 第1話(1) 増賀聖人 ====== | + | ====== |
===== 校訂本文 ===== | ===== 校訂本文 ===== | ||
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この理(ことはり)を知らざるたぐひは、申すに及ばず。唯識・止観に眼をさらし、法文の至理をわきまへ侍るほどの人達の、知りながら捨て侍らで、生死の海にただよひ給ふぞかし。誰々もこれをもて離れんとし侍れど、世々を経て思ひなれにしことの、あらためがたさに侍り。 | この理(ことはり)を知らざるたぐひは、申すに及ばず。唯識・止観に眼をさらし、法文の至理をわきまへ侍るほどの人達の、知りながら捨て侍らで、生死の海にただよひ給ふぞかし。誰々もこれをもて離れんとし侍れど、世々を経て思ひなれにしことの、あらためがたさに侍り。 | ||
- | しかあるに、この増賀上人の、名利の思ひをやがてふり捨て給ひけん、ありがたきには侍らずや。これまた、伊勢大神宮の御助けにあらずは、いかにしてかこの心もつき侍るべきなり。貪痴のむら雲引き覆ひ、名利の常闇(とこやみ)なる身の、五十鈴川の波にすすがれて、天照大神の御光に消えぬるにこそ、かへすがへすかたじけなく、貴く侍り。 | + | しかあるに、この増賀上人の、名利の思ひをやがてふり捨て給ひけん、ありがたきには侍らずや。これまた、伊勢大神宮の御助けにあらずは、いかにしてかこの心もつき侍るべきなる。貪痴のむら雲引き覆ひ、名利の常闇(とこやみ)なる身の、五十鈴川の波にすすがれて、天照大神の御光に消えぬるにこそ、かへすがへすかたじけなく、貴く侍り。 |
- | このこと、いつの世にか忘れ奉るべきなり。 | + | このこと、いつの世にか忘れ奉るべきなる。 |
===== 翻刻 ===== | ===== 翻刻 ===== |
text/senjusho/m_senjusho01-01.txt · 最終更新: 2016/05/16 22:11 by Satoshi Nakagawa