text:mumyosho:u_mumyosho059
目次
無名抄
第59話 俊恵難俊成秀歌事
校訂本文
俊恵難俊成秀歌事
1)「かの歌は『身にしみて』といふ腰の句のいみじう無念に思ゆるなり。これほどになりぬる歌は、景気をいひ流して、『ただそらに身にしみけんかし』と思はせたるこそ、心にくくも優(いふ)にも侍れ。いみじくいひもてゆきて、歌の詮とすべき節を、さはさはといひあらはしたれば、無下(むげ)にこと浅くなりぬるなり」とぞ。2)
翻刻
俊恵難俊成秀哥事 かの哥は身にしみてといふこしの句のいみしう無念 におほゆる也これほとになりぬる哥は景気を いひなかしてたたそらに身にしみけんかしと おもはせたるこそ心にくくもいふにも侍れいみしく/e49l
いひもてゆきて哥の詮とすへきふしをさはさはと いひあらはしたれはむけにことあさくなりぬる なりとそそのつゐてにわか哥の中に/e50r
text/mumyosho/u_mumyosho059.txt · 最終更新: 2014/10/03 23:25 by Satoshi Nakagawa