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text:mumyosho:u_mumyosho057

無名抄

第57話 清輔弘才事

校訂本文

清輔弘才事

勝命いはく、「清輔朝臣、歌の方(かた)の弘才は肩並ぶ人なし。『いまだよも見及ばれじ』と思ゆることを、わざとかまへて求め出でて尋ぬれば、皆もとより沙汰し古されたる事どもにてなん侍りし。晴の歌詠まんとては、『大事はいかにも古集を見てこそ』と言ひて、万葉集をぞ返す返す見られ侍りし」。

翻刻

清輔弘才事
勝命云清輔朝臣哥のかたの弘才はかたならふ人
なしいまたよもみおよはれしとおほゆることをわさ
とかまへてもとめいててたつぬれはみなもとよりさ
たしふるされたることともにてなん侍しはれの/e48l
哥よまんとては大事はいかにも古集をみてこそと
いひて万葉集をそかへすかへすみられ侍し/e49r
text/mumyosho/u_mumyosho057.txt · 最終更新: 2014/10/03 20:22 by Satoshi Nakagawa