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text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka14-45

蒙求和歌

第14第45話(245) 黄尋飛銭

校訂本文

黄尋飛銭

海陵の人黄尋、身にまこと深く、人に情け深かりき。

初めは貧しかりけれども、後には、おほきに風吹く時、雨のごとくに銭(ぜに)飛び散る。家の籬(まがき)の梢(こずゑ)、そのほかの庭のきりまで落つること、数も知らず。

みな拾ひ得たること、数千万に及ぶ。つひに富び栄えて、河北に名をほしきままにしけり。

  風に散る木々の木の葉の音なくてかきやまがきに雨と降るかな

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黄尋飛銭  海陵ノ人黄尋ミニマコトフカク人ニ/ナサケフカカリキハシメハマツシカリケレ
トモ後ニハヲホキニ風フクトキアメノコトクニセニトヒチル家ノ
マカキノコスヘソノホカノニハノキリマテヲツルコトカスモシラス/d2-53l
ミナヒロヒエタルコト数千万ニヲヨフツヒニトヒサカヘテ河北ニナ
ヲホシキママニシケリ
      風ニチルキキノコノハノヲトナクテ
      カキヤマカキニアメトフルカナ/d2-54r
text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka14-45.txt · 最終更新: 2018/04/08 16:57 by Satoshi Nakagawa